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2004年12月24日

偉大な David (2)

D.Hendry の名を世にしらしめたのは、いわゆる LSE アプローチのなかで、「長期均衡式」と「短期調整式」を区別することの重要性を指摘したこと(だと思う)。これは、Granger(2003年ノーベル記念経済学賞)が共和分の概念を提唱して representation theorem を発表するより前のことだから、アイデアの源流を評価するという意味では、昨年の経済学賞は Hendry がとってもおかしくはなかったはず(Grangerは同僚の Engle に助けてもらったんだし、Engle も ARCH モデルだけでは賞に届かないだろうし、Engle-Granger の推計法をのちに一般化したのは別人の Johansen なんだし)。Granger は他にも数理統計への貢献があるという人もいるが、実は、「Granger-Causality」という(あまり役にたたない)因果性検定手法のおかげでとにかく誰にでも名前が知られていたからではないかと思ったりもする。そのせいもあって?質問の内容がこと「非定常変数の扱い」にかかわると、Hendry の口調はとたんに激しくなる。「なんの関係もない、なんの心配もない、かーんたんに証明できる、われわれはずっと以前からそんなことは知っているんだ」。そのとき、オックスフォードからの参加者はみな一様に、したり顔で笑うのでした。かっこいいね。

2004年12月22日

偉大な David

David Beckhamではなくて、 David Hendry と H.M.Krolzig が主宰するセミナーに参加。テーマは GetS(General to Specific) -- ある変数の動きを規定する方程式(モデル)の推計(選択)問題。考えうるすべての説明変数を含む一般モデルから、変数を取捨選択して、いかに効率的に、もっとも妥当なモデルにたどりつくか。たとえば40変数の取捨選択を総当りでやると 240 回の推計が必要になるが、(Krolzig が言うには)フツーのPCだと794年かかる。これを、独自のアルゴリズムで数秒で計算してみましょうという試み。セミナーでは、2日かけて、この方法を詳解。彼らのプログラム(PcGetS)は、かなり緩い条件設定のもとで、Hendry 自身が1991年に「手作業で」推計したという貨幣需要関数を再現した。プログラムもすごいが、後の時代のこれだけ一般的な検証に耐えるモデルを既に昔に「手作業で」推計していたということもすごい。Hendry はやっぱり偉大な人(ランチも自分だけ特注のサンドイッチに白ワイン)。
それにしてもオックスフォードはお金もち。ITルームのPC(Dell)には、本家 GiveWin+Ox+TSP はもちろん、Mathematica,Maple,MatLab,GAMS,Gauss,Rats,STATA,SPSS,SAS、思いつくほとんどすべての商用ソフトが導入されていた(※SもしくはRはローカルPCには入っていなかった)。Hendry は予想外に腰の低い人、Krolzig は小太りで予想外に shy な人、ふたりの様子から、経済学部のコンピュータ環境をひとりで切り盛りしているのは、やっぱりJ.Doornikらしい。でも、いちばんお会いしたかった影の天才?は最後まで姿を見せず。ふと思うが、Hendry は LSE 出身、Krolzig はドイツの大学出身、Doornik は Hendry 門下で Oxford Ph.D だけれど名前からはベネルクスあたりの出身? -- どうでもいいことですが、外様が支える Oxford 、こういうのも「ウィンブルドン方式」?
あ〜、それと、余興のPCデモで、Hendry が「こんとろ〜る・う”ぃ〜を押せ」と言ったのに、CTRL+B を押して隣のギリシャ人に笑われたアホは私です。

2004年12月16日

久方のお勉強

コンフェランス(ミルトンキーンズ)
Cantab 教授、Oxon 教授のダラダラしたヨタ話が続いたけど、最後の講演は秀逸。統計分析の祖 R.A.フィッシャーの論文のひとつが間違いだったことを指摘。立て板に水の喋り。こういう偉い人は Web ページも役にたちそう(な感じ)。
Professor Stephen Senn
Stephen Senn's Pharmaceutical Statistics Links

2004年12月09日

英国の製造業

The Richard Dimbleby Lecture
J.Dyson, "Engineering the Difference"
BBC の年末恒例講演、講演者は James Dyson 、ダイソン掃除機の発明者。サービス業に重きをおいて製造業を軽んじる英国社会のあり方を批判。サービス業が国を支えるという考えは捨てるべき、Engineering と Manufacturing の隆盛なくしてイギリスに明日はない、という結論。サービス業比較優位・海外純資産豊富な英国でさえ、(大英帝国崩壊から)半世紀以上にわたって、この種の警句が発せられつづけているのでは。サービス業に国際競争力を期待できない?日本では、いったん製造業が朽ちたら、奈落の底まで沈没?

2004年12月07日

山一證券の十字架

センチュリー証券・野澤新社長
「私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」 --- 1997年11月、野澤社長の涙の会見は BBC でもお笑いネタに、Economist 誌は子豚がひっくり返った表紙絵で日本経済の特集号を発刊。わたし、マンチェスタで小さな心を痛めておりましたが、あれ以来の野澤ファンなんです。

イギリスぎらい

私が特におかしいというわけではないことを確かめるために、イギリス嫌いのWebページを、二、三探してみた。


二番目はこの人の「英国病」の解釈がおかしいんじゃないかなぁ、三番目は posh chinese あたりと間違えられているだけではないかなぁと、人の話になると冷静に分析できる^^; でも、私自身は、職業倫理がどうにも欠如している(ようにしか見えない)ところが嫌いなんであって、イギリス自体が嫌いなんではありませんから。

2004年12月03日

英国の情報センタ

よくよく考えると、今回は、Barclays Bank と Royal Mail + Parcel Force 以外には、特にひどい目にはあっていない。なんといっても、Barclays の日本人差別^^;が9月末からずっと継続していたために、これだけ心がすさんだのだ^^ 不動産屋も中古車屋もまったく問題なかったし、BT と Wanadoo(ブロードバンドISP)はちょっともたついたが、許容範囲だった。しかし、いったん荒んだ心はいやされず、今日はとうとう、大学の情報センタに軽いイチャモンをつけてしまった。こんなやりとり 。でも、人類普遍の常識からして怒った私に落ち度があるとは思えない。(1) 見知らぬ相手からの丁重なメールに、名前呼び捨てで応答するのはいくらなんでもおかしい。(2) それを指摘されて謝りもせず無視、同僚に返信させる。(3) その同僚は、ふざけたパスワードを勝手につけた上に、それを平文で送りつけてきた(管理者権限の濫用+技術知識の完璧な欠如)。