偉大な David

David Beckhamではなくて、 David Hendry と H.M.Krolzig が主宰するセミナーに参加。テーマは GetS(General to Specific) -- ある変数の動きを規定する方程式(モデル)の推計(選択)問題。考えうるすべての説明変数を含む一般モデルから、変数を取捨選択して、いかに効率的に、もっとも妥当なモデルにたどりつくか。たとえば40変数の取捨選択を総当りでやると 240 回の推計が必要になるが、(Krolzig が言うには)フツーのPCだと794年かかる。これを、独自のアルゴリズムで数秒で計算してみましょうという試み。セミナーでは、2日かけて、この方法を詳解。彼らのプログラム(PcGetS)は、かなり緩い条件設定のもとで、Hendry 自身が1991年に「手作業で」推計したという貨幣需要関数を再現した。プログラムもすごいが、後の時代のこれだけ一般的な検証に耐えるモデルを既に昔に「手作業で」推計していたということもすごい。Hendry はやっぱり偉大な人(ランチも自分だけ特注のサンドイッチに白ワイン)。 それにしてもオックスフォードはお金もち。ITルームのPC(Dell)には、本家 GiveWin+Ox+TSP はもちろん、Mathematica,Maple,MatLab,GAMS,Gauss,Rats,STATA,SPSS,SAS、思いつくほとんどすべての商用ソフトが導入されていた(※SもしくはRはローカルPCには入っていなかった)。Hendry は予想外に腰の低い人、Krolzig は小太りで予想外に shy な人、ふたりの様子から、経済学部のコンピュータ環境をひとりで切り盛りしているのは、やっぱりJ.Doornikらしい。でも、いちばんお会いしたかった影の天才?は最後まで姿を見せず。ふと思うが、Hendry は LSE 出身、Krolzig はドイツの大学出身、Doornik は Hendry 門下で Oxford Ph.D だけれど名前からはベネルクスあたりの出身? -- どうでもいいことですが、外様が支える Oxford 、こういうのも「ウィンブルドン方式」? あ~、それと、余興のPCデモで、Hendry が「こんとろ~る・う”ぃ~を押せ」と言ったのに、CTRL+B を押して隣のギリシャ人に笑われたアホは私です。

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このページは、eiichiが2004年12月22日 08:20に書いたブログ記事です。

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