(St.Andrews の手前の) Stirling で開催された セミナー に参加(ちゃんと仕事してますから^^)。
参加の動機は BHPS (British Household Panel Survey) と呼ばれる調査資料に関心をもったこと。日本の国勢調査などより調査項目は多岐で詳細、さらに「パネル」調査、つまり1991年にランダム抽出された同一人を、10年以上、毎年、追跡調査している(政府予算で少なくとも2009年までの継続がすでに保証されているらしい)。バッキンガム大学の図書館に問い合わせたら、即日(一時間足らずで)、提供元(エセックス大学)から利用許可を取り寄せてもらえた。至れりつくせりの説明文書、多くの統計ソフト用出力のサポート、さらにわざわざ教育用のサブデータセットまで準備されている。このへんは好きよ>イギリス^^。
※ 日本でも、どこかの政府系研究機関が(もっと小規模ながら)似たような個票調査をしているが、数年前にゼミ生の卒業研究に使わせようと思いたって調べてみたところ、主たる利用者の所属機関・身分とか研究成果発表の義務とか面倒な制約がいろいろあって、結局、利用を断念したことがあった。また、この個票調査データを取り寄せた某公立大院生から「データをどう処理していいかわからない」という相談を受けたこともあって、見てあげたら、なるほど、旧メインフレーム(IBM、MVS互換機)の固定レコード書式(BLKSIZE=xxx, LRECL=xx, RECFM=FB,..なんて知ってる人はもういない)でおさまっていて、全部 Excel と TSP で処理できるかたちに変換してあげたことがあったのだが、こんなことはまったく意味のないこと(わざわざ不便なままにして利用を制限しているだけのこと)。
で、セミナー自体は、ギスギスした?経済学の世界とは一味ちがう大らかさがあって、楽しかった。例えば・・・
- 学会ポスターに載っている数式が間違っていて(かなり stupid な間違い)、最初は印刷の誤植かなとも思ったが、喫煙ルームで出会った先生がた数人に聞き取り調査^^;してみたところ、「この式おかしいですよね」--「え・どこが?」「わたし・わからない」という感じ。ちなみに喫煙ルームとは校舎の中庭、私は携帯灰皿(がわり)で始末していたが、ほかの人はどんどんポイ捨て。Univ.of Glasgow のおじさんは常連、たまに Cambridge のおばさんもやってはった。
- 「有用なデータをいっぱい準備しています・メモリースティックを是非ご持参ください」ということだったので指示どおりに持参したのだが、主催者側は「メモリースティック」という用語を「USBメモリー(ストレージ)」を指す意味で使っていたようで、私が持参したソニーの純正メモリースティックを見せてあげたら、「これはなんだ・どうやって使うんだ」としばし固まっておられた。こういう用語はちゃんと調べて正確に使ってよね^^;
- 「SPSSは古い・STATAはすばらしい・STATAを使うべき」って、んなものどっちもおなじ^^;研究者なら商用ソフトは捨てて R を使え。(※後で調べてわかったことですが、進んだ所(Lancaster大学がこの分野の拠点校らしい)では、 R を使って、その上にSABREというフリーソフトも開発しているようです。)などなど。