統計パッケージ

TSP 5.0 が出る模様。 TSP のメジャー・バージョンアップは、かれこれ20年ぶりくらい?ver4 → ver5 への主要な変化は、パネルデータの推計コマンドが改良されたことらしい。Green のテキスト等に以前から掲載されている Fixed Effect モデルや Random Effect モデル、後者の基礎・応用研究の進展が最近いちじるしい様子。

なお、統計パッケージといえば、StataEviews のふたつは話題になることが多い。これらの利用を前提にしたテキストや事例報告も多いし、マニュアルがいろいろな分析手法の実践的な解説として充実しているようにも思うので、上の TSP5.0 の注文とあわせて購入してみることにした。ただし、ソフト自体の有用性については・・・ Stata は経済畑のものではないが、常に R と対置されている(R 派と Stata 派に分れる感じ、もちろん Stata が多数派)。R は使いにくいフリーソフト、Stata は使いやすい商用ソフトというイメージ?Stata の場合、たしかに、R のように変数型やデータフレームに関する準備知識などは不要なので、データ処理はある意味で簡便になるが、他所で少しさわってみた感じでは、その簡便さすら未完成の印象をもった(たとえば、スプレッドシートを開くと他の作業ができなくなる、とか)。 EViews は、B.Hall & R.Hall 夫妻の離婚後にご主人の R.Hall がはじめた PC-TSP の流れをくむパッケージらしい。紛らわしいが、単に TSP というと、冒頭↑の B.Hall の本家 TSP。離婚前は夫妻で共同開発ということになっていたらしいが、離婚後に、著作権者は奥さんの B.Hall になった。R.Hall が離婚後にはじめたのがこれとは別の PC-TSP。本家 TSP は当初 Fortran で書かれたメインフレーム用のソフトで一時期ソースファイルを配布していたが、PC-TSP はそれに対抗して?パソコン用 PC- を強調したもの。しかし、機能的には本家 TSP の足下にも及ばない駄作だった。PC-TSPのイメージは簡便・守備範囲せまい・融通がきかない。まぁ個人的には、経済畑のこの種のソフトは、GiveWin + PcGive + Ox + 本家TSP の組み合わせで「もう打ち止め」という印象があるのですが・・・(Ox が、Gauss コードも解釈して実行できるようになった時に、なんだかもう、これ以上のものはぜったいに出てこないだろうと感じた^^)。 なお、B.Hall & R.Hall の離婚とふたつの TSP の話、私は十数年前に聞きましたが、いまでもあちこちで語られているようで、サリー大学とかでマネージメントを専攻しているという若い中国人大学院生ですら知っていて、Eviews に R.Hall が絡んでいるというのは、実は彼から教わった話(見るからに聡明な好青年でした、「ゆびうす」とはなんのことか最初わかりませんでしたが^^;)。

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このページは、eiichiが2005年3月 9日 02:45に書いたブログ記事です。

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