今週号のエコノミストは Paternalism の特集。Special Report : The avuncular state。「夜警国家」の対極に位置する "Paternalism"の新潮流、"Soft Paternalism" は、選択の自由を残しながら国家が個人を誘導する。J.S.Mill の言葉「ある人の行為が他人を害する場合のみ国家はその行為を抑圧してよい」に対置させて、Soft Paternalist たちは、一個人のなかにはいくつもの自己(selves)があって、現在の喫煙をこらえきれない self は、将来の肺ガンに悩む self を害しているわけだから、国家の干渉は許容されるというような主張をするらしい。彼らの提案する政策例、たとえば【sin taxes 政策】: 政府は smoker's ID を発行して喫煙を認可制に、smoker's ID の価格は5000ドルで、2500箱のタバコを税引き価格で購入する権利が与えられる。あるいは【sin licenses 政策】: 政府は喫煙ライセンスを供与、ライセンス取得者は前もって、いつどれだけのタバコを購入するかを申告しなければならない。まぁいずれも、私(=喫煙者)には効果はないように思うけど・・・。「タカ派」エコノミストの結論は、Paternalism はやはりいかがわしいのではないかという感じ。私も、素朴に同感。Soft Paternalist の説明、「人々は合理的な選択ができない・だから政府が選択を手助けしてやらねばならない」。でも、たとえば、政府がつくった愚かな制度に加入しないことを、人々が合理的に選択するようなケースもあるのでは。。
面白かったので、他でも話題にしている人がいるだろうと思って検索してみると、女子大4年生のブログを発見。大学4年でエコノミストの論文記事が読めるんだ、すごいな。