2007年1月アーカイブ

The Office, 蛎の寡黙

2004年ゴールデングラブ賞受賞の TVドラマ「The Office」、安かったのでまとめて完結ボックスを購入。シリーズ1,2の12本(×30分)+スペシャル版2本(×45分)を三晩で見終わる^^。製紙会社の支社オフィス。業績不振で、本社から余剰人員の解雇を迫られているのに、脳天気な支社長は誰を切ることもできない。WikiPedia の解説 によると、彼は「無神経で無能なセクハラ親父・みんなから慕われ頼りにされていると思い込んでいる」だそうだけれど、ボクの感想はちょっと違う。善良すぎてお人好しすぎて、ちょっとズレているために、彼独特の気配りは一般社員にはほとんど理解されない。徐々に危機がせまっているのに、おとぼけを貫き、みんなを守ろうとする。で、最後は自分自身がクビを切られて、一件落着(あわれ;;でも、結局ひとりで全部をかぶった^^)。

こっぴどい風邪引きのため表へ出られず、ぼーっと眺めていた mixi のある掲示板で、ちょっとタメになるスレッドに遭遇。ある人(実はかなりの碩学)が「次は The Economist からの引用ですが、一読して意味がとれますか」ということで、以下の文章を紹介した。 According to a survey by the European Commission last year, just 30% of Britons can converse in a language other than their own (only Hungarians did worse). Bad as these figures are, they are flattered by the one in ten residents of Britain who speak a language other than English at home. 二つめの文章の flatter を「おもねる・おだてる」としてはいけないのだが、そのように安直に誤訳して、なかには「これは英検二級から準一級の難度ですね」(簡単すぎるの意)と能書きをたれる人もいた(私も最初はそう思ったんだけどね、なにかおかしいと思い止まったので恥をかかずに済んだ^^)。想定外の回答が続いたために、出題者は予定を早めて、正解を掲示。この flatter は、「実際以上によく見せる」(inflate)という意味にとらえると、文章がすっきり理解できる。出題者は、この解釈でよいかどうかを、The Economist に直接に問い合わせて、記事の執筆者から「わかりにくい文章を書いてごめんなさい」という詳細な解説をもらったらしい。スレッドの結論、「Economist を教材として使う人と、ふつうに読み物として楽しむ人の、感覚のちがい」。わたし、教材として使ってますが、なにか?(まぁ、必要な範囲のことは経済の予備知識でカバーしているということで・・・^^)。

授業評価アンケート

集計結果が届く。数年前に「毎回同じ服を着てくるな」「ジーパンをはくときはベルトをしろ」という(自由記述による)評価をいただいて以来、実は、ほとんどまじめに見ていない^^。全学点検評価室員でありながらナンたることかとお叱りを受けそうだけど、だいたい、端から2回に1回、3回に1回しか出てこないような学生に、「教え方が悪いからナンにもわからない」とか「だれも皆わかっていないぞ・もっと工夫をしろ」などと言われても、意味がないように思うんだけどな^^。アンケートの方法を工夫して、マジメな意見だけを反映させることは難しいように思う。匿名記入をやめればよいというものでもないのかもしれないけれど・・・。 とまれ、今回も、集計結果のレーダーチャートには二つの線があり(学部平均値と、私の授業に対する評価値)、丁寧に色分けされている。青と赤。で、全項目について、青の線が赤の線を上回っている(いつもより乖離が大きい^^)。警告の赤だな、とうとうレッドカードか。はいはい、どうせオイラの授業はむずかしいからネ、みんなわからないんだよネと、即、ゴミ箱に捨てようとしたが、まぁ念のために、どれくらいひどい評価なのか再確認しようと眺めてみると・・・なんと、あらまぁ、赤の線が学部平均値なんだ^^。そうだったんだ・みんないい子だね~と、急に180度コロっと転向しちゃったりして(過去のももっとよく見ておけばよかった、とか^^;)。 まぁでも、この秋学期は、大教室講義がなかったから、私語と遅刻にキレて怒ることもまったくなかった。よく考えると、経済情報処理演習IIと経済学特講、どちらも、マジメな学生しか受講しない科目だね、うんうん^^。

経済学関係の Podcast

Podcast で拾っているのは、BBC の Radio NewsPod , Breakfast Takeaway , Question Time など。Breakfast は朝のニュース番組、ナターシャ・カプリンスキがいつ出てくるのかと毎日チェックしていたがなかなか現れない(とおもったら、既に6時のニュースにかわっていたらしい)。Question Time は、労働党・保守党から1名ずつ+メディアから1,2名+各回テーマの専門家数名で、スタジオの観客の質問に答えるかたちで、時事問題を討論する番組。政治家の英語はクリアーだし、観客も多人種、ふつうの人がむずかしいことを話そうとするので全般にゆっくり話す場合が多い。経済学関係では、ファイナンシャル・タイムス(FT)の解説者 Martin Wolf が時事問題にからめて経済学を簡潔に解説する Martin Wolf - FT.com や、G.Mason 大学?発信の Econ Talk など。後者は、先日、G.マンキューのブログから辿って見つけた。最新号は、マンキュー自身が IS-LM 分析の有効性といったあたりから語り始めます^^。

サッカー部の学生

全学のWebページで知ったんだけど、本学サッカー部・姜選手のプロ入りが決まったらしい。わたし、実は、(隠れ)姜ファン^^。彼は一回生のときに私の経済学基礎理論を履修していた。ある日、サッカー部の同期生と2人で授業を途中で抜け出そうとした(たぶん、連れの悪友にそそのかされたのだろう)。私が問い詰めて学生証を出せというと、連れの悪友は、「教室をまちがえた」だの「学生証は忘れた」だの「学籍番号は覚えていない」だのと見苦しいウソを言い並べたが、姜くんは、素直に謝罪して学生証を見せた。学期末試験の姜くんの答案には努力のあとがありありとうかがえた。やはり、一芸に秀でる者は、ほかのことに関しても、取り組み方が、人とはすこし違う。ちなみに、連れの悪友の答案には、「スポーツ推薦なのでよろしくお願いします」という一言が書かれていただけだった^^。

ケンブリッジ・スパイ

ときどき、BBC 制作の DVD を Amazon.co.UK から取り寄せる。正月に注文したのが昨日届いた(Cambridge Spies, Little Britain Series 3, Dr.Who Series 2)。Little Britain と Dr.Who は、Series 1 から順次に収集中。Dr.Who は、昨年のクリスマスに放映されたという主役交代記念特別版を、約一年遅れで見た(最近は NHK BS でもやってるんだけど)。Little Britain は、はまると一日見続けてしまうので、週末まで我慢。といいながら、ずっと見たかった Cambridge Spies を、約5時間かけて、一気に最後まで行ってしまった^^。ケンブリッジで共産主義に染まった4人がソ連のスパイとなり、イギリス政府の要職に就いて、スターリンに機密情報を流し続けるという(実話)ドラマ。ソ連に裏切られ続け、逆にイギリス社会の温情にホロリとしつつも、Still burns, belief, in the belly. と強がり続ける。でも、いよいよ正体がばれてソ連に逃亡する時には、ドーバー海峡の船の上で、England, England と号泣するのでした。ソ連の工作員を相手に、逃亡先はフランスではだめかと懇願するところで失笑(ソ連が怖い国だってわかってんじゃん^^)。4人のうちのリーダ格の人物は、なんと、女王のお気に入りで、日常的にウィンザー城で女王と2人きりで酒を飲みながら会話を交わしていたほどの名士だったので、正体がばれても訴追されなかったらしい(サッチャーが首相になった時にその事実を知り、すべてを暴露して、爵位をとりあげたとか)。あぁおもしろかった^^。試験期間に突入寸前の時期に何をしておるのか(でも、半年間しんどかった講義がほぼ終わったし・・・^^)。

「奇跡」という神話

明年度、中国から研究生がひとりやってくる予定。ひょっとすると中国人院生もひとり来るかも。ということで(シラバス作成の時期でもあり)、明年度の大学院演習向けに使おうと思っているネタは、Foreign Affairs という雑誌(2004年7,8月号)の記事で、The Myth behind China's Miracle"。非常勤先の外国書講読でも読んだんだけど、要するに、中国は恐れるに足りず、米国はあらゆる面での優位性をフルに活用して、中国経済と戦略的に関わっていくべきという内容。その論拠は、結局、中国における企業統治の未成熟ということではないかと思うんだけど、つぎつぎに引用される統計数値をチェックして吟味していくだけで、かなりたいへんな(充実した?)作業になりそうな気がする。とりあえず目標は大きく設定(もちろん、シラバスはつつましやかに^^)。 日本に留学してきて英語の文献を読むのは妙な感じかもしれないけれど、最初だけ。問題意識をたきつけるにはいいかもしれないと思うから(日本人が「中国は恐れるにたりず」と言ったって、あんまり説得力ないし・・・^^)。上の論文は、偶然にまったく異分野の人から教えてもらったんだけど、タイトルで検索してみると、ハーバード大学政治経済情報という(なぜか日本語の)情報誌?などにも引用されている。同時に紹介されている The Economist の記事(The Myth of China Inc.)も刺激的かも --- 日本企業がアメリカ企業を買収した時にはその会社を良くしてくれたが、中国企業がカネにまかせて外国企業を買収しようとするのは実に怖い、という結び。

英国の銀行に自然に残っていったおカネ。一年前に全額を貯蓄口座に移したところ、利息がけっこうついた。円換算には1ポンド=200円のレートを使うのが10年前からのならわし、でももはや、この簡易計算法は通用しない。いまや、1ポンド=230円台前半。私のポンド預金は、この一年で、1ポンドあたり20円弱の「含み益」を生じた^^。巷の一般論では今年は円高の年(日銀の再利上げ+米景気後退が、「円安バブル」の現状から「超円高反動」へのトリガーになる)ということのようだけれど、もしそうなったら、もっと送金してポンド預金を増やしてみよう。名著『金融工学の悪魔』によると、外貨預金は、円安にかけるしかないという意味で、実はかなり危険な投資法。でも、この期に及んで、円高の長期トレンドを引く人はいるだろうか。。

外貨預金といえば、週刊エコノミスト(毎日新聞社)の1/2・9迎春合併号に、宇沢弘文の文章を見つけた(『市場原理主義の跳梁を許さず真にゆたかな国をつくれ』)。文章の主要部分は、昨年末に逝去した M.フリードマンの思い出話(悪口)で埋め尽くされている。以前にもどこかで読んだ記憶があるけれど、外貨預金の話(「資本主義の世界では儲けを得る機会のあるときに儲けるのが紳士だ」とフリードマンが語ったという話)とか、当代の「狂気の政治家」からさえも「過激すぎる経済学者」と非難されて、シカゴ大学は肩身の狭い思いをしたという話。それから、黒人の低学歴・低収入は彼らの自由意志に基づく合理的選択の結果であるというフリードマンの講演にまつわる話。講演後に、黒人大学院生に「フリードマン先生、私には私の両親を選択する自由があったでしょうか?」と詰め寄られ、(宇沢によると)フリードマンは何も言えず黙ったままだったとか。でも、この話はすこし歪められているのではないかと思う。もちろん、黒人差別は厳然と存在するのだろうけれど、一方で、reverse discrimination に乗じたモラル・ハザードも存在するはず。当時のアメリカ(60年代後半)ではこの種のモラル・ハザードを指摘することはかなり勇気のいることではなかったんだろうか。

昨日、梅田で、人を待つあいだの時間つぶしに『武士の一分』を見た(007にしておけばよかった^^)。おおかたの期待に反して、果たし合いはキムタクの勝ち。ありえない。視力を失ってたかだか数週間の無名剣士が、全国有数の大道場で免許皆伝された剣豪に勝つのです、愛の力で(『最後に愛は勝つ』)。だから、そんなタナボタはありえないって(やっぱり SMAP はきらい ^^)。

日の名残り

↓の 72.14.199.x は、IP を代えて、ふたたび3時間おきにアクセスしてくる。それと、年末あたりから、.tj.cn ドメインのあちこち(中国天津?)から、24時間、この学部サイトの CGI や Wiki をしらみつぶしに調べている様子(書き込みができそうな箇所を探している様子)。後者は、こちらのアクセス制限をくぐりぬけているように見えるんだけど、なぜかな(考え中)。。とまれ、大量書き込み→バッファオーバフロー→SPAM送信etc. といった狙いでしょうか。この手のこと、そろそろ知識を仕入れ直さないといけないなぁ(こないだ集中してやったのは1990年代後半だったっけ^^)。

元旦と2日、録りためていた映画を6本見た。A.ホプキンス+E.ハンプトンの『日の名残』がとってもよかったので、今日はその流れでブリティッシュづくしで^^。『ハワーズ・エンド』『フェアリー・テール』『アイル・ビー・ゼア』。

SMAP は好きでない

正月休みはテレビ三昧。都はるみの出ない紅白なんて・・・でも石川さゆりが出るので、やはり見た。はずかしながら、倖田來未(Atok は「こうだくみ」を一発で変換したがそれほどすごい歌手なのか)の歌をはじめて聞いた。で、どうでもいいんだけど、昨年の正月にも思ったこと。SMAP はもうそろそろ消えてもいいんじゃないのかなぁ。こんなに歌の下手な連中が「プロの歌手」というのはやっぱりおかしい。また、歌がどうにも退廃的。たとえば 『世界に一つだけの花』、あれは「負け組のススメ」ですね。頑張ってもどうせ勝てっこないんだから、競争なんて諦めて、好きなことだけやりましょう -- 。他の若手歌手はみな、すさまじく歌がうまかった。スガシカオ、Orange range、コブクロ、スキマスイッチ、彼らは熾烈な競争を勝ち抜いて、天賦の才を開花させたんだね。

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