外貨預金・宇沢弘文、武士の一分

英国の銀行に自然に残っていったおカネ。一年前に全額を貯蓄口座に移したところ、利息がけっこうついた。円換算には1ポンド=200円のレートを使うのが10年前からのならわし、でももはや、この簡易計算法は通用しない。いまや、1ポンド=230円台前半。私のポンド預金は、この一年で、1ポンドあたり20円弱の「含み益」を生じた^^。巷の一般論では今年は円高の年(日銀の再利上げ+米景気後退が、「円安バブル」の現状から「超円高反動」へのトリガーになる)ということのようだけれど、もしそうなったら、もっと送金してポンド預金を増やしてみよう。名著『金融工学の悪魔』によると、外貨預金は、円安にかけるしかないという意味で、実はかなり危険な投資法。でも、この期に及んで、円高の長期トレンドを引く人はいるだろうか。。

外貨預金といえば、週刊エコノミスト(毎日新聞社)の1/2・9迎春合併号に、宇沢弘文の文章を見つけた(『市場原理主義の跳梁を許さず真にゆたかな国をつくれ』)。文章の主要部分は、昨年末に逝去した M.フリードマンの思い出話(悪口)で埋め尽くされている。以前にもどこかで読んだ記憶があるけれど、外貨預金の話(「資本主義の世界では儲けを得る機会のあるときに儲けるのが紳士だ」とフリードマンが語ったという話)とか、当代の「狂気の政治家」からさえも「過激すぎる経済学者」と非難されて、シカゴ大学は肩身の狭い思いをしたという話。それから、黒人の低学歴・低収入は彼らの自由意志に基づく合理的選択の結果であるというフリードマンの講演にまつわる話。講演後に、黒人大学院生に「フリードマン先生、私には私の両親を選択する自由があったでしょうか?」と詰め寄られ、(宇沢によると)フリードマンは何も言えず黙ったままだったとか。でも、この話はすこし歪められているのではないかと思う。もちろん、黒人差別は厳然と存在するのだろうけれど、一方で、reverse discrimination に乗じたモラル・ハザードも存在するはず。当時のアメリカ(60年代後半)ではこの種のモラル・ハザードを指摘することはかなり勇気のいることではなかったんだろうか。

昨日、梅田で、人を待つあいだの時間つぶしに『武士の一分』を見た(007にしておけばよかった^^)。おおかたの期待に反して、果たし合いはキムタクの勝ち。ありえない。視力を失ってたかだか数週間の無名剣士が、全国有数の大道場で免許皆伝された剣豪に勝つのです、愛の力で(『最後に愛は勝つ』)。だから、そんなタナボタはありえないって(やっぱり SMAP はきらい ^^)。

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このページは、eiichiが2007年1月 7日 05:30に書いたブログ記事です。

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