「パラダイス鎖国」とは、日本語の壁や政府の庇護のもとで、国内業者が、そこそこに大きな日本の国内市場という「桃源郷」に安住している状態を指す。で、これに関連して、ごく最近のネットの話題から --- 「日本は世界のブラックホールか桃源郷か」 によると、『(日本の将来は)外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる(ことができるのではないか)』。しかし、池田ブログはこれに疑問を提示している(「清く貧しく美しく?」)。『(日本は)清く貧しく衰退してゆくだろうが、それが美しいかどうかは疑問だ。外貨が稼げなくなったら何十万という企業が倒産し、何百万人もの失業が発生するだろう』。池田の次の指摘には思わずうなづいてしまった。『(日本の業者は)大口の法人契約(にすがって生きている。こうした法人契約)では大きく成長することはできないが、そこそこの利益が確実に上げられるため、技術革新を追求するよりもレガシーシステムで囲い込んで末ながく食い物にしようというインセンティブが働きやすい』(これ、うちの○○センタのことか^^)。
この問題については、数年前に 桃大で共同研究 をした。我々のシミュレーションでは、世界貿易が(現在の調子で)今後も年率4~5%で拡大を続け、日本経済の成長率が年率1~2%にとどまり続ければ、2020年までに、日本の製造業は外貨を稼げなくなる。そのあとはサービス業の出番・・・とはならないはず。経済が衰退していく過程は、清くも美しくもないと思う。