ウェールズの歌姫(Katherine Jenkins)の CD を3枚、Amazon.UK に注文。日本でも同タイトルのものを購入できるんだけど、中身がすこし違う。そして、いつものことながら、「内外価格差」に驚く。以下、Amazon.JP(¥) , Amazon.UK(£) , Amazon.US($) の比較。"Living a Dream" (¥2250, £4.66, $18.98 )、"Rejoice" (¥3703, £7.64, $52.99 )、"Serenade" (¥2375, £4.23, $42.99 )。合計で、Amazon.JP で買うと ¥8328。Amazon.UK で買うと £23.09(送料 £6.56 を含む)。現在の円/ポンドレートは £1=¥227 なので、UK で買ったほうが¥3086 ほど安くなる。
しかし逆に、たとえばアイルランドの女性グループ(Celtic Woman)の CD は、日本のほうが安い。"A New Journey" (¥2250, £10.98, $9.97 )、"Celtic Woman" (¥2250, £12.48, $10.97 )、"A Christmas Celebration" (¥2250, £18.49, $9.99 )。合計で¥4262 ほど日本で買ったほうが安くなる。しかしこの場合には、US の方が日本で買うよりさらに¥3224 安い($1=¥114 の現行レートで換算、送料含まず)。
UK, US の CD 市場は価格が伸縮的。これに対して、日本の市場では、(時限付き)再販価格維持制度により、価格が上方向に硬直的、下方向には伸縮的だが調整速度が遅い。再販制度は一般に消費者利益を損ねるものとされるが、後者 Celtic Woman の3枚の CD の価格、とくにクリスマス商戦向けの新アルバム "A Christmas Celebration" の価格に着目すると、超過需要に反応してどんどん値をつり上げる英国の業者に比して、日本の業者は一律¥2250 を維持せねばならない(まぁ最初の値付けが下手なだけか)。なお、US の価格付けはよくわからない。
ちなみに、iPod と高圧縮音楽ファイル(mp3, aac 等)の隆盛で、CD の売り上げは落ちる一方らしいが、以前から不思議に思うのは、CD 制作者が「CD の音質の良さ」を強調しようとしないこと。mp3 を「CD並の音質」と言う人もいるらしいが、そんなことはあり得ないだろう(Apple の戦略で人々の耳が鈍化しているのではないだろうか)。Apple の iTunes Store では、aac(128kbps) という低品質の音楽ファイルが、実際の CD と同じ価格で(ダウンロード)販売されているが、こんなものを購入するのは愚かである。同じ値段で CD を購入すれば、せめて、(数分足らずの手間で)もっと高品質にエンコーディングしたものを各種 mp3 プレーヤで楽しめるし、CD 自体に加えて曲目の解説書も手に入る。日本の業者は、わざわざこの私的なエンコーディング作業を妨げるために、CCCD (コピーコントロール)なんていう発想をもち出したが、方向がまったく逆だったことは既に明らか。