2008年1月アーカイブ

民主党の怪文書

巷で話題の怪文書(匿名ビラ)が、昨日、我が家にも来た。新聞紙大の大きさで両面カラー刷り。すでに産経新聞が報じているように、府知事候補、熊谷某(民主・社民推薦)が、対立する橋下候補を非難した「ネガティブ・キャンペイン」である。おもての面には、「こんな人に投票していいんですか」の大見出し。橋下候補の著書や言動から「失言」らしきものをかき集めてきて、彼を揶揄している。裏面には熊谷候補の政策を全面的に支持するフレーズが並んでいるが、熊谷・民主などの名はいっさい出さず、クマの絵が描かれているだけ。

匿名といえば、「2ちゃんねらー」。以下、「2ちゃんねる」からの引用 ----- 教授ってこんな下品な戦い方する人ばかりなの?恥ずかしくないの?年寄りが唾飛ばして青年罵って、青年が冷静に受け答えしてるんだぜ?大阪人は自分をネタにして笑いに持っていくのは大好きだけど、人の悪口言ったり中傷するのは大嫌い。日本の選挙ではネガティブキャンペーンをすると理性のない奴だと思われて、まともな人からは一番嫌われる。ネガキャンは票には結びつかない、むしろ票を失う。 【ここで、今(2008/01/27(日) 20:09:19)開票と同時に橋下に当確が出た】 300万枚のビラが全滅、1分持たず。大阪ちょっと見直したよ。-----

市長選・敗北の弁?

「崖っぷち、日本の大学」という特集タイトルにひかれて、帰りに、中央公論2月号を買った。いえホントは、「柴田翔は青春のバイブルでした(小池真理子)」という見出しにひかれて(しかも、小池真理子と小池百合子を勘違いして^^)。

本題はともかく、なかに、さきの大阪市長選に立候補した橋爪氏の「敗戦の弁」を見つけた。一部を引用する(ママ)。

平松氏自身が民主党から頼まれて出馬したにもかかわらず、「市民派」を装った点だ。朝日新聞は・・・(中略)・・・関前市長に関係を断たれた市労連・解放同盟が実働部隊として動いたことを報じている。部落解放同盟の機関誌である「解放新聞大阪版」には、「府連の総力を結集し平松邦夫候補の勝利をめざそう」という記載があった。平松氏は旧同和対策事業の見直しについて「助成は全面的に精査する。判断基準は『人権』」と説明している。・・・(中略)・・・民間出身者をアピールすることで市民派を装いながら、その実は市労連と解放同盟に選挙を丸抱えしてもらっていたらしいのだ。この点を市民は見破ることができなかった。
もしそうだとして(多くの市民は最初からそう「見破って」いたと思うけれど)、それをわかっているなら、なぜ立候補したのか。平松は組織の固定票を持つのだから、橋爪票はほとんど関の票を横取りするかたちになったはず。橋爪の立候補により、関は平松に負けたと言ってもよい。これ以外にどんな意味があったのだろう。

蛇足ながら、多くの市民は、橋爪はこの意味で役割を果たしたと思っている。たとえば、元吉本興業の木村某氏は、選挙直後に、「橋爪さんを副市長にすればよい」とコメントをしていた。にもかかわらず、ご本人はそんなつもりではなかったらしい。世の中は小説より奇なり?

たまたま、某T大学情報科学科の「C言語入門」第一回課題を拝見(Sumii の日記より)。(1) シェルを実装せよ、(2) データの圧縮・解凍プログラムを実装せよ、(3) スパムフィルタを実装せよ(いずれも「発展的な課題」であって、この科目の単位取得には、別に準備されたもっと簡単な「基礎的課題」を解けば十分だそうだが)。とりあえず個人的には、出題文の日本語表現が気になるわけですが(大学教員たるもの、世間や業界のおかしな言葉遣いを踏襲していいのかなぁと・・・^^)、そういえば、スパムフィルタについては、冗談半分(全部)で、うちの「経済情報処理演習II」でもネタにしようとしたことがあった。

あなたが今受け取ったばかりの、あるメールの特徴を、「B」というバイナリ・シーケンス(二進数列)で表してみる。B は、0 と 1 から成る数列でこんな感じ、01011100001010・・・。各桁(ビット)の 0 と 1 が、このメールの特徴を表している。たとえば、サブジェクト(メールのタイトル)に Viagra という文字列が含まれていれば最初のビットは 1 になり、含まれていなければ 0 になる。メールの実際の発信元ドメインと送信者アドレスのドメインが一致しなければ左からふたつめのビットは 1 となり、一致していれば 0 になる、などなど。で、問題は P(S|B) を計算すること。S は「スパムである」という事象をあらわしていて、P(S|B) は「B という特徴を持つメールが S (スパム)である確率」を示す。基本的に、これが、たとえば本学情報センタのスパムフィルタが日夜行っている計算。スパムフィルタは別名ベイズフィルタと呼ばれるように、この確率をベイズ式で計算する。P(S|B) = P(S かつ B)/P(B)。右辺の分子は「これまでに届いたすべてのメールのうち、スパムであって、かつ、B の特徴を持つメールの比率」、分母は「これまでに届いたすべてのメールのうち、B の特徴を持つメールの比率」。ね、こんなふうにすれば、簡単でしょ?

ところで、うちの情報センタのスパムフィルタ。「スパムの可能性50%以上のメールはすべて破棄してくれ」などと要求するヒト(教員?職員?)がいるらしい。でも、50%ということは、スパムかどうか半々の確率なんだから、全部捨てたら、半分はまともなメールを捨ててしまうことになるんだよ。スパムフィルタの確率判定が緩すぎるというのなら、ちゃんとそれを証明してから言ってよね。というか、それ以前に、そんなの、手元のメールソフト(MUA)で受信メールの振り分け条件をちょこっと設定すれば、自分で簡単にできることですね(誰にも迷惑かけずに)。

バブルって最高?

↓の映画の感想の続き。下らない映画のことをしつこく言いたくないんだけど、映画のなかで主人公が「バブルって最高!」と叫んでいたのを思い出した。ひょっとすると、「バブル」は良いことだったという捉え方も世の中にはあるんだろうか。。でも、「バブル」にポジティブな側面なんてあったんだろうか。なにより、持てる者(資産家)と持たざる者の格差が拡大した。持たざる者は恩恵を享けるどころか実質賃金の低下と住宅費の高騰に苦しんだだけ。巨額の不良債権は銀行の貸し渋りをひき起して多くの中小企業が倒産したが、その一方で、銀行は、粉飾決算までして「有力」企業に追い貸しをしていた。にっちもさっちも行かなくなった「バブル」張本人の銀行は結局、血税(公的資金注入)によって救われた。 この過程を通じて、ある種のモラル崩壊が生じたようにも思う。政府や企業、いろんなところで優柔不断と無責任が露呈。大阪なんて、「バブル」真っ盛りに計画した巨大建設プロジェクトを、「失われた10年」を通じて着々粛々と実施しつづけた。また、銀行証券マンの給料がエンジニアの給料をはるかに上回るようになった。努力はダサい、タナボタ願望が蔓延。当時、あるネットBBSで有名だった東大物理学博士課程の院生が、勉強をやめて、金融機関に就職を決めたと書いていたのを覚えている(たしか、ノーベル物理学賞よりノーベル記念経済学賞のほうがはるかに簡単だとも言ってたな^^)。かたや三流大学の大学院では、コツコツと勉強する院生を名指しで「労多くして益少なし」などとからかう教授すら登場した時代。日経新聞社が「証券マン of the year」とかを選出してその人の受賞記念講演が行われるようになったのではなかったろうか。その講演会に一度だけ足を運んで、ブッたまげたことをよく覚えている。その年の受賞者は、ダ・ビンチの絵やら図やらを持ち出してきて、なんでも、森羅万象は「黄金比の法則」とやらに従うのだから、株式投資も「黄金比」で考えればいいのさ、と宣っていた(さすがに会場からは幻滅のため息がもれていたけれど^^)。

バブルへGo!

昨夜、TVをつけると、邦画「バブルへGo!」が放映されていた。レコードを聴いていたので、最初はTVの音声を消して画像だけを表示させていたんだけど、マハラジャのワンレン・ボディコン、万札を振りかざしてタクシーに群がる若者たちが登場したあたりから、本気で見入ってしまった(懐かしいという感覚ではなくて、むしろ、こんな世界がほんとうに存在していたのかという興味がしんしんで)。 1990年に大蔵省が実施した「不動産融資総量規制」(文字通り、土地投機へのおカネの流れを止めようとしたもの)。これがバブルを終わらせ大量の不良債権を生じさせて日本経済を「破綻」させた(という風に、この映画では解釈されている)。そこで、精鋭部隊(薬師丸ひろ子+広末涼子)がタイムマシンに乗って1990年の日本に行き、この政策をストップさせるために悪戦苦闘する。任務は成功裏に遂行され、精鋭部隊の二人が再びタイムマシンで2007年の日本に戻ってくると・・・「破綻」をまぬかれてさらに豊かになった立派な日本経済の姿があった、めでたしめでたしのハッピーエンド。

この映画の基調にあるのは、(伊武雅人演じる)無能怠慢傲慢狡猾にして公共心のかけらもない腐敗官僚への怒り。こいつらがもうちょっとマトモな連中なら、日本はここまでヒドい状態にはならなかったというわけ。映画の最後のほうで、阿部寛演じる正義の大蔵官僚はいみじくもこう語る --「バブルはいずれは崩壊する」。「バブル」は早晩(もっとマイルドなかたちで)終わっていたのに、拙速なバブル潰し政策が日本経済を未曾有の大不況に導いたというわけだ。これ自体は、まぐれあたりにせよ、ひとつのポイントをついている(もちろん、正しいかどうかの検証は別問題)。しかし、「バブル」に関する(監督・原作者の)知識は粗雑で、的外れである(アイドル映画なんだからあたりまえ?)。細かくあげつらうとキリがないので、一点だけ指摘する。

以下は、たまたま先週の月曜日に「経済学特講」でやったばかりの「バブル」ネタ(の最初の部分、講義資料はこちら)。経済事象には、background(背景)、trigger(直接の契機)、catalyst(加速要因)、terminator(終焉の契機)がある。「バブル」の場合、背景としては (1) 大企業の銀行離れ、(2) 小さな政府・規制緩和の潮流など。トリガーは、(3) プラザ合意直後の日銀の超金融緩和政策。加速要因としては、(4) ブラックマンデー、(5) 日本人の土地信仰など。そしてバブルを終わらせたのは、(6) 1989年から1990年にかけて日銀が行った公定歩合引上げ(たてつづけに5回実施して、一年たらずのあいだに2.5%から一挙に6%まであげてしまった)、(7) 1990年の大蔵省通達(映画のテーマである「不動産融資総量規制」)。このように、一口に「バブルの原因」といっても実は多種多様である。(7) だけをとりあげるかわりに (6) だけを強調することもできるし、また例えば (1) の段階で消えるべきもの(不効率で不要な銀行)をちゃんと消していれば、という風にいろんな結果論を語ることもできるはず。

アホにも使える R

秋学期終了。って、未だ終わっていないけれど、私にとっては関ヶ原の降雪徐行運転はすでに通過して、あとは終点新大阪までの通常運転。「経済学特講(英語による独善の日本経済分析)」は実質的に今日でおしまい(最終回は試験、その一週間前はまとめの解説)、準備に時間をとられるので、これが終わるとやはりホッとする。「演習II」も残りの時間は課題作文の提出と添削・再提出のみ。「演習IV」は卒論の提出を待つのみ。「演習III」はふるいにかけて残った数名の子たちに春休みの参考文献を示すだけ。 4単位ものの「経済情報処理論」も先が見えた。ハード・ソフト・ネットワーク・経済学への応用という順でやってきて、残る5回はプログラミング演習のみ。実は、Linux とC言語プログラミングのサワリをやろうと思って11月末に情報センタに準備を依頼した。準備万端、さぁスタートという状態だったんだけど、昨晩、講義資料をつくっている途中で思いとどまった。5回ではやはりムリだろう、ついてこれない受講生が続出して混乱が収拾できないかもしれないと考え出すと、もう諦めモードに入ってしまった。昨日の今日では別方向への切り替えも困難。ということで、講義内容をいっきょに最低のレベルまで落とすことにした。最低のレベル、つまり、アホにでも使える R 。これで、プログラミングの基本作法、基本知識を学ぼうということにしてしまった。なお、もちろん、学生がアホだと言っているのではない。アホにも使える(フリができる)のだから、若い学生ならもっと容易に使えるだろうということ。むしろ彼らには少し物足りないだろうし、こちらも内心じくじたるものはあるんだけどね。

そういえば、20年前に京都の短大で、86のアセンブラで、DOS のファンクションコールを使ってフロッピーディスクに簡易プロテクトをかけるというお題をやったことがあった(ちなみに、私の迷著「C言語による統計と数理計画法」には、PC9801 の BIOS サブルーチンをソフトウェア割込で呼び出す関数などを収録しておったはず)。まぁこういう細かいことをフォローしていたころには、ネタも山ほどあったわけだ。

Gmail の広告

Gmail では、ユーザのメールを機械的にスキャンしてキーワードを拾い出し、送信者や受信者が興味をもちそうな宣伝広告を、メール閲覧画面に表示する。たとえば、某高校写真部 ML での今日のやりとりには、Linux , Mac, ビジネス手帳というキーワードが含まれていた。だから、このスレッドを開くと、「Linux サーバ構築講座」「宋文洲手帳」「Mac経理くん」といった商品ページへのリンクが、ブラウザ画面の右端に表示される。この広告はけっこう楽しめて、たとえば、「○○先生」という冠つきのメールには「先生は頼りになりません」というイジメ対策サイトの広告がかなりの頻度で表示されるし、(不謹慎だけど)訃報+お別れ会への案内には「スキャナで出席確認」という広告が表示されたりする。

しかし、すこし前から、別の面で、これにちょっと疑問を抱いてる。というのも、どう考えてもメールの中身とは無関係の広告が表示され(ているように思われ)ることがあるから。しかもしかし、その広告表示には一定の法則があるような気がする。つまり、ある特定の人からのメールには、その当日の当該メールの内容にかかわらず、その人に「固有」の広告が表示されているような気がするのである。架空の事例でわかりやすい例え話にしてみると、某君からのメールには「バイアグラ」の広告が(メールの内容とは無関係に)いつも表示される。かと思えば、某女史からのメールには、彼女が半年ほど前にくれたプレゼントの品に関係する広告が未だに表示される。高邁な政治思想を語る某准教授のメールには結婚相談所の広告が表示され、若者の無気力を嘆く憂国の士からのメールには愛人バンクの広告が表示される、等々といった具合。

ある人が過去に出したメールの内容(キーワード)や Google 検索の履歴を、その人のメールアドレスと関連づけて記録する --- 考えてみると、Google のサービスは、こういうことができる仕組みに自動的になっているはず(もちろん、やっているとは言ってません)。ある人が(たとえその人は Gmail を利用していなくとも)Gmail 利用者へメールを送れば、そのメールは Google のデータベースに記録される。メールヘッダには彼の IP アドレスが残るから、彼が同じ IP で Google 検索を行えば、その検索履歴が誰のものかを同定しうる(共同利用端末の場合には、メール送信時刻と検索実行時刻をつきあわせてみる等の処理も行えばよい)。無慈悲な機械は、バイアグラでも愛人バンクでも、キーワードさえ合致すれば、もっとも効果的な広告を表示してしまう。プライベートな検索には Google を避けたほうがいいのかもしれませんネ^^。

Worst Products of 2007

アメリカの消費者の目が厳しいことを示す一例(アメリカでも霊感商法がまかり通っている一例?)を見つけた。Pear Cable という会社が販売している ANJOU ケーブルというのは、メートル単価 $1500 (現時点の円高レートでも ¥163500!、ANJOU という名前から三河安城を連想したが、洋梨 pear の品名らしい^^)。 なんでも、あるオーディオ愛好家が「踊りだしたくなるケーブルだ」と絶賛したそうで、それを受けて、Gizmodo (ガジェット情報サイト?)が「こんなものを使うと踊るアホになる」と非難した。事はそれにとどまらず、超常現象・疑似科学への痛烈な批判で知られる James Randi という有名人が乗り出してきて、こんなものはインチキだと断言した上で、「このケーブルの優位性を証明できれば100万ドルの賞金を出す」と言い出した。で、あるオーディオ雑誌の記者が Blind test 目隠し実験に名乗りを上げたのだが・・・Pear Cable 社は挑戦には応じなかった。結果、Randi 氏は、Pear Cable 社を「インチキ chicken」と批判する文書を公開。このケーブルは、Yahoo「2007年最悪商品リスト」にランクされた。

でも、この Yahoo Worst Tech Products of 2007 だけど・・・当の Pear ケーブルについては「たしかに良いケーブルだが高すぎるのでボッタクリ論争が起きている」という評価のみ。それより、Apple TV と Windows Vista もランクインしていて、辛辣な評価を受けている。Vista はどうでもよいが、Apple TV は拙宅ではけっこう重宝してるんだけどな。。

それはともかく、メートル16万円のケーブルにこれだけの大騒ぎをするアメリカに比べると、日本の牧歌的な風景もまた極端なのかも。2ちゃんねるのような匿名掲示板で、猫も杓子もすべてごちゃまぜにして超安値のケーブルだけがすばらしいといった根拠不明の批判しか出てこないのもおもしろい。

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