新入生に勧める本

図書館からの要請で、「新入生に勧める本」というのを、学部ごとに紹介せよということらしい。と、急に言われても、他の方のご意見をうかがっている時間が既にないので、思いつくままに独断で、以下のものを挙げておいた。

  1. 中島隆信『これも経済学だ!』筑摩書房(ちくま新書)
    平易な経済学への入門書。何のために学ぶのか、経済学はどんなことに役だつのかを、いろんな題材から幅広く紹介しています。
  2. 本田由紀ほか『「ニート」って言うな!』光文社
    「ニート」という流行語を、社会科学的に冷静に分析しようとしたもの。世間で流行している言葉やイメージの鵜呑みは禁物。冷静に真の姿を探ろうとする態度が大事です。「ニート」に対する、あなたのイメージはがらりと変わるかも。
  3. 中西輝政『国まさに滅びんとす』文藝春秋(文春文庫)
    日本の未来は暗い(かもしれない)。著者は、かつて英国が歩んだ衰退の道を、いま日本は歩みはじめたと言います。そして、日本の暗い未来をなんとか明るくするために、英国の歴史から学べるものはないかと考えています。
  4. 吉本佳生『金融工学の悪魔』日本評論社
    金融工学と呼ばれる最先端の金融商品や取引の仕組みを平易に解説しています。マネーの世界の動きを理解するには、経済学のセンスが大事。賢いデイ・トレーダへの第一歩。
  5. M.フリードマン『選択の自由』日経新聞社
    アメリカ流経済学の思想とロジックを明快にまとめた書物。グローバリズムと市場原理主義は、現代世界の抗しがたい一大潮流。市場原理主義に賛成するにも反対するにも、必読の書です。
  6. E.フロム『愛するということ』紀伊國屋書店
  7. 真木悠介『気流の鳴る音』筑摩書房(ちくま学芸文庫)
前年度リストと同様に骨の折れるものが多くなってしまったかも(もうすこし時間があればじっくり考えるんだけど)。最後の二つはボク自身の学生時代によく読まれていたもの。推薦文をつけようとしたが恥ずかしくなってやめた(列挙しはじめるとキリがなくなって、暗~い本のタイトルがつぎつぎと浮かんでくる^^)。で、ふと、あの頃の雰囲気はあんまり変わっていないのかもしれないなぁなどと思う。もちろん名は変わりかたちも変わったけれど、jumping at a fanatic buzzword, それを正義とひたすら信じる naive な人たちはかえって増えているのでは(ずっと同じ人たちが扇動している気もするけど^^)。

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このページは、eiichiが2008年3月22日 23:50に書いたブログ記事です。

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