2008年5月アーカイブ

RFC 違反

NTT docomo の勘違いに端を発した「違法メールアドレス」問題(詳しくはこちらなどで)。

インタネット標準ルールであるところの RFC に違反するものを認めないという、本学情報センタの対応は、正しい。長いものには巻かれろ式で docomo に追従せよというのも、ひとつの見識かもしれないけれど・・・。たしかに、歴史をふりかえると(そんな大げさなもんでもない^^)、少数の専有物だった Bitnet や JUnet がインタネットに拡大していくなかで、数々の違法ルールがうやむやのうちにデファクト標準となってしまったケースは少なくないような気もする(たとえば、日本語の「ホームページ」という用語)。でも今回のケースは、たぶん国際的にはいつまでたっても認められないだろう。日本国内では通用しても、外国の人には届かないメールアドレスなど無意味である(docomo はいまだに撤回はしていないようだけど)。

それはともかく、いま気づいたことなんだけど、「ルール違反のメールアドレスは認めない」という通達メールの本文中に、これまた別のルール違反であるところの機種依存文字(丸数字、ローマ数字)が使われている^^。ちょっと迂闊だね。といっても、この文書を決裁したのは私です。Word 文書で届いたんだけど、あれをそのまんまメールに貼り付けるところまでは想像できなかった。ごめんなさい。

男たちの挽歌

プロ野球交流戦、わが阪神タイガースはまず(因縁の)オリックスとの連戦。何かが起きると予感していた。今日は委員会等々が終わったあと、家に戻って見ている余裕はないから、杉本町の飲み屋でテレビにかじりついた。そして、やっぱり、何かは起こった^^。7回表、1-3 とリードされた阪神の攻撃。無死満塁から、今岡、赤星が倒れて、二死満塁へ。今日もダメかとあきらめかけた、まさにその時に、今年オリックスから移籍してきた平野が、走者一掃の適時打。阪神生え抜きの今岡と赤星が倒れた後に、ここで、おまえが打ってくれるか^^。さらにその直後、広島から移籍して来た新井が本塁打、もう涙ちょちょぎれ^^。しかし、なんといっても圧巻は、その裏のオリックスの攻撃。二死満塁で、オリックスの打者は、濱中。平野とのトレードでオリックスに移籍した、阪神の元プリンス。一時は阪神の四番を托された男。対する阪神は、投手を、生え抜きのストッパー久保田にスイッチ。淡々と、まさに淡々と、あきれるほど淡々と、濱中を打ち取った久保田。濱中の心中やいかに。明日はもういちど何かが起きる、って、明日は試合なしか(次のオリックス戦は、6月8.9 の甲子園、見に行かねばなりますまい^^)。

森山大道写真展

今日は休み、しかも、いい天気。Hep Navio の森山大道写真展、行ってみようかな(まず、十三の第七芸術劇場とかでやっている映画『靖国』を後学のために見て、十三といえば前々から一度行ってみたかったハイエンドオーディオ装備の紅茶庵で昼ご飯を食べて、その後に梅田まで出て・・・と思ってたら、もう昼過ぎになってる)。 森山大道は高校時代の憧れの人だったのだ。当時は白黒写真が主流で、とくに、フィルム現像液の温度を 30度くらいに上げて処理してやると(標準は20度)、粒子の粗い独特のネガができあがる。これを「アンデパンダン」などと称して、けっこうな流行だった。森山大道は、その筋の先駆者の一人(たぶん)。写真展なんかに行くのも30年ぶりだね。。

ファイル共有ソフト

「Winny 等ファイル共有ソフトの利用をやめましょう!」というパンフレット一式が、公権力^^から情報センタに届き、学生諸君に周知徹底よろしくということらしい。発信元は ACCS(社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 だが、警察庁総合セキュリティ対策会議 との連携プレーらしい。この 「対策会議」報告書(pdfファイル) によると、著作者の承諾無しに著作物を「送信可能」状態にした時点で、著作権侵害は成立する。この侵害に対して、著作者は、まず民法上の損害賠償と不当利得返還を請求できる。さらに著作者が警察へ告訴すれば、10年以下の懲役もしくは 1000 万円以下の罰金が課されうる。そして、今回 ACCS が強調している点は、Winny などのファイル共有ソフトでダウンロードを行うと、ダウンロードしたファイル(の断片)は、即時に自動的にアップロード可能となる(「送信可能」状態に置かれることになる)ということ。この点は私も講義やゼミで昨年くらいから説明しているけれど、「だから・ファイル共有ソフトの利用はやめましょう」という ACCS の呼びかけは、ちょっと短絡な気もする。

ソフトの利用自体を禁止してしまうと、P2P 技術を活用した正当なファイル共有もできなくなってしまう。たとえば、つとに指摘されていることだが、最近は、著作権者自身が無料で自作の音楽ファイル等を P2P で発信するケースが増える傾向にある。内外の経済学者の分析によると、不法ダウンロードでさえ CD の売上をむしろ増加させるということなんだから、こうした正当な「試聴」はさらに CD の売上増加に寄与するのではないだろうか。日本の場合、とくに音楽 CD は高価で、かつ情報の非対称性が大きい。ファイル共有ソフトの利用禁止は、こうした産業活性化の芽をつみとってしまう可能性もあるように思う。

ちなみに、米国では昨年あたりから P2P を禁止する大学が出現したらしいが、たとえば この記事などは、P2P ソフトの利用を全面禁止した米オハイオ大学を、無知蒙昧、革新への扉を閉ざし、教育機関としての責務を怠るものであると痛烈に批判している。が、(関係者として、当面の)気になる点は、大学当局が禁止しようがしまいが、学生たちの P2P 利用は一向に減る気配がないらしいことである。学生寮が充実していて多くの学生が24時間「学内」で生活する欧米の大学とちがって、日本の学生は大半が自宅下宿からの通学である。ACCS では、ファイル共有状況を調べるプログラムを定期的に実行して各大学の共有ソフト利用状況を検出していく方針らしいが、大学での利用を禁止しても、ISP(インタネットプロバイダ)を抑えないと実効性がないだろう。

ISP 側の対応については、欧州方面の状況も参考になりそう。ひとつだけ記事を拾って読んでみた(Mac World UK 2008/Feb/25)。英国では、ISP(インタネットプロバイダ)と著作権保有者たちとの話し合いが一向に進まないことに業を煮やして、政府が、2009年4月までに不法ダウンロードを禁じる法整備に乗り出すと言い出した。しかし、ISP 側は、顧客ユーザの通信の中身を監視することにあくまで反対している。じっさい、現行の EU および英国の政府通達では、ISP はネットワークを流れる情報の中身には責任を負わなくてよい。フランスでは、しつこい不法ダウンロードユーザの利用を禁止する法規制がもうじき成立する。デンマークでは、裁判所が大手 ISP に対して BitTorrent (ファイル共有の一形態)サイトへのアクセスを禁止せよと命令したが、ISP 側はこの命令を拒否して裁判所と闘うつもりである。

西洋音楽史

岡田暁生著「西洋音楽史」(中公新書)。以前に買っていたものをパラパラとめくっていたら止まらなくなり、最後まで読んでしまう(何をやってるんだか、もう^^)。中世のグレゴリオ聖歌からバロックまでが前半部を占めていて、めずらしい作曲家の名前がいっぱい登場。対位法や通奏低音などの専門用語もとても平易に紹介されていて、一気に読み通せる。でも「クラシックの黄昏」というサブタイトルが示すように、著者の関心の中心はやはり19世紀ロマン派以後にある様子。

バッハは、作風においても生き方においても、バロックの異端だったらしい。その偉大さは、作曲の心得を相当に持つ人だけが理解できるものらしく、死後半世紀ほどは顧みられることもなかった。が、メンデルスゾーンが「マタイ受難曲」を発掘して100年ぶりに再演したことから、バッハは19世紀初頭に劇的な復活を遂げ、プロテスタント・ドイツ・ナショナリズムの昂揚に大いに寄与したそうだ。バッハの後に花開いた19世紀ロマン派は大きくふたつの系統に分かれる。パリのオペラ座でサロン音楽を楽しむ俗物のフランス・イタリア派と、究極の詩(至高芸術)を追求するドイツ・ナショナリストたち。後者の出発点は、ベートーヴェンがうちたてた「勤労の美徳の(音の)記念碑」。彼は、天賦の才ではなく労働によって、凡庸な主題旋律から偉大な音楽作品を構築した(「主題労作」と言うらしい)。そして到達点は、神無き時代の宗教音楽、マーラー。「物質主義・社会主義・無政府主義に満たされた人間たちが、いかに神と争い、神を見いだして、祈ることを学ぶに至るか」、これがマーラーの全創作のモットーだそうだ。

だから、交響曲はやっぱり襟を正して聴かんといかん^^。とはいえ、大胆なチャート式図解だから例外もあるはずだし、ドイツに遅れて、フランスでも「脱俗物」の動きはあったそうだ。たとえば、ボクは「俗物派」のフランス人のフォーレなんかは大好きで、彼の「レクイエム」などは俗物の対極だと思うし、「俗物派傍流」のイギリス人のエルガーは交響曲も書いていて、ドイツ正統継承者の R.シュトラウスも絶賛している。イギリス人の作曲家といえば、大好きなディーリアス(梅毒で死んだかわいそうなディーリアス)には、ニーチェをモチーフにした「人生のミサ」というシリアスな作品もあったらしい。

第一次世界大戦前後に、爛熟したロマン派は内部から破壊解体され、今に至る。最後に著者は、「現代音楽史」の可能性を自問する。前衛音楽の類は、期待薄(けっきょく誰にもわからないから)。現代における芸術音楽の王道は、やはり、巨匠(指揮者)による名曲レパートリーの演奏。名人の古典落語を聞くようなもので新作はもはや出てこないが、実は名曲レパートリーの決定版も出揃ってしまっていて、もうネタ切れ状態。もし可能性があるとしたら、緻密に設計されたジャズやポップスかもしれないということだそうだ。

ブルックナーを聴かせて

荘厳な音につつまれて至福のひとときを(「精神性」とやらを感じてみよう^^)というわけで、数ヶ月かけてチビチビと、ブルックナーの CD を収集した。カラヤン70年代の全集、チェリビダッケはミュンヘンフィルとのライブ録音で3番以降を、さらにジュリーニの9番、ハイティンクの 8番に、カラヤン逝去直前の最後の録音 CD(7番)と実質的に最後の映像 DVD(8番)・・・このあたりまで集め終えたところで、楽譜もまともに読めない素人が何をしてるんだかと我に返り、さすがにこれ以上の注文はキャンセルした 。でも、なかなか聴く時間がとれないのだ(全楽章を通して一気に聴けるチャンスがほとんど無い^^)。ブルックナーは長いし、没入しているときに途中で生活ノイズが入ると一挙に興ざめしてしまう(快適な夢にまどろんでいるときにデコピンでたたき起こされる感じ^^)。やっぱり自分の部屋の PC にヘッドフォンを挿して聴こうということで、DAC を物色中。ちょっと奮発してDr.DAC2 にするか、それとも分相応に Onkyo Wavio あたりにするかな。

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