変テコリンな本が目についた。『今日から始める社会人基礎力の育成と評価 -- 将来のニッポンを支える若者があふれ出す!』。経産省編著ということなので、ウチの大学でもまぁいちおう、誰かが買って目を通しておかねばならないものなんだろう。でも、率直に言って、「社会人基礎力」というタイトルは可笑しい。 「現在の日本社会でうまくやるためのチカラ」とかなんとかに、表現を変えたほうがよいと思う(長いけど^^)。だって、社会人としての基本のチカラとは、まずなにより、ズルをしない心、思いやり、潔さ、志の高さなど、そうした公人としての基本仕様を指すはず。で、いまの日本で、それが欠けているのはいったい誰だろう。若者か、それとも・・・。
壁に耳あり Google Reader、うっかりしていると、下書きモードの個人日記として書いたつもりのものまで拾っていってしまう(ので、穏便に書き換えて公開せざるをえない^^)。
追記 Aug/04)上掲の書物(のタイトル)に関して、私が感じたことは、おおむね、次の二点です。 (1) 企業みずからが(若者を正社員として長期雇用(終身雇用)したうえで)企業内特殊訓練として行ってきたものを、企業外(学校)での一般的訓練で代替しようということではないのか。これは、企業にとっての訓練費用の節約、さらに、非正規労働者の即戦力化という意味合いももたないのか。 (2) ソフト面の訓練だけで、「将来のニッポンを支える若者があふれ出す」わけがない。より直接に、できるだけ多くの若者に正社員のポストと、能力と働きに見合った相応の賃金を保証する必要がある。いわゆる「若者論」(現代の若者は昔に比べて劣っている)は論外だが、社会(世界やゲームのルール)が変わったのだから現代の若者はそれに合わせるしかないという言い方もおかしい(まず大人が合わせるべきだ)。