マクロ経済学実習

この科目、もう廃止が決まってるんだから、来年は開講する必要ないよね。ボク、これを担当すると、学部6コマに大学院3コマ=9コマになっちゃうの。講義概要には掲載するけれど、実際には受講者ゼロで閉講というかたちにもっていきたい。そこで、受講者が来ないようにと講義概要を難しく書いてみたんだけど・・・難しくすればするほど、書いている当人=担当教員には魅力的な内容になってきて、けっきょく、誰か希望者が来たらやってみたいな~^^と思い直している。 当面の予定としては、旧IS-LMモデル、新IS-LM、RBC、DSGE までの概略を日本語の教科書で読む。フロベニウス根とかポントリャーギンの最大値原理とかいう懐かしい用語も出てくる。こういうツールを最初に(最後に)勉強したのはもう30年前か^^。ふと思うに、経済学の教科書は、ずいぶんとやさしく丁寧に親切になった。

教科書がやさしく丁寧になった理由は、大学の数が増え進学率が上がるとともに、大学教育への社会の関心や監視が強まったこと、要するに、難しいことばかり書いていては売れなくなったからだろう(難しいことがキライな人が増えて、教科書供給側の競争も激しくなった)。あるいは、難しく書く必要がなくなったから(知識の体系が整理されて「枯れて」きたので、書く側が解釈に困ることが少なくなったから)という面もあるのかも。。 蛇足ながら、かの名著『経済政策とマクロ経済学』の序文は、この数十年のあいだにマクロ経済学分野に生じた「劇的な変化」を強調している(「それはちょうど、Windows が Linux にとってかわられるような変化である」という、まったく意味不明の余計な一言が直後に付加されているために、「劇的」の度合いは相当に薄められてしまっているが^^)。しかし、近年発刊されたマクロ経済学の教科書で、「ルーカス批判」に言及しないものはあるだろうか。たとえば、今回使う予定(もし受講希望者が現れれば^^)の教科書では、「ルーカス批判によりマクロ経済学は反証可能の科学になった」という一文さえある。あるいは、超有名の某ブログ(さいきんちょっと辟易^^)では、麻生首相の経済ブレーン(となるはずだった)某エコノミストを「アホの地底人」とこきおろしている(一説によると、このブログの影響力ゆえに、麻生は某エコノミストを見捨てたらしい)。その論拠は、私にわかる範囲では、どうやら、某エコノミストの使う経済学が旧IS-LMモデルだったということらしいのだけれど・・・。

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このページは、eiichiが2008年11月21日 17:23に書いたブログ記事です。

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