↓の記事では、キャノンの悪いイメージだけが先行しそうな感じだけれど、いちがいにそうとは言えないのかもしれない。海外生産のニコンに対して、キャノンは国内生産に固執した。これは国内での雇用を創出する効果と、海外への技術流出を防ぐ効果を持ったはず。生産管理がずさんになった背景には、請負労働者を直接監督できないという事情があった。その背後にはさらに、正社員の解雇が困難(つまり正社員の採用コストが異常に高い)という事情もあるはず。これらは法規制の問題という側面も持つ。また、ニコンに比べて利益率が高い背景には、研究開発資金の蓄積といった側面もあるのではないだろうか。じっさい、ニコンはCMOSイメージセンサを自社では作れないようだが、キャノンは自家開発している。画像処理エンジンもニコンは他社に依存しているという噂があるが、キャノンは自家開発だろう。画素数にしても撮像素子のサイズにしても、技術的なスペックでは常にキャノンが先行してニコンが追従する(もちろん、ニコンは写真屋独自の付加機能と「ナイコン」伝統の頑強さやブランド力で対抗するわけだけど)。
ところで、ゴールデンウィーク明けに提出した原稿。いつものように、platex, dvips, ps2pdf 経由で pdf ファイルを作成。20年来 TeX でやってるんだけど、今回はじめて、印刷屋から珍妙な要望が来た。「(マイクロソフト)ワードの形式で出してほしい」。あのねアンタは印刷屋だろう、pdf ファイルからコピペして自分でワード形式に直せよと直接に言いたいところだったが、あいだに入った本学側の担当者がわざわざ pdf を word ファイルに変換してくれた。ボクが間違ってるんだろか?
なお一応、pdf ファイルを word ファイルに変換するツールをいくつか試してみた。最後の Convert サイトがなんとか使えそう。
- TeX2Word 元々の TeX ファイルを Word で読み込むもの。Windows版しか無いので使えない(ワタシは Mac ユーザ)。
- オンラインの pdf to word 変換結果をメール添付して送ってくれる。日本語がまったく扱えず、論外。
- Adobe Acrobat の「書き出し」機能 (手元の Mac OS 版では文字化けがひどく使えない、脚注と数式は全滅)。
- オンラインの Convert pdf to word (表組みやフォントに乱れはあるがなんとか使える、数式も記号は全滅だがなんとか見える)