という雑誌は面白そうだ。掲載されている芸術批評?の真価はボクにはよくわからないけれど、すくなくとも、経済学者の書いたものではけっしてお目にかかれない、エレガントで含蓄深い日本語の文章が味わえるような気がする^^。すでに3巻発行されているらしいが、一昨日に紀伊国屋の店頭で第1号のなかの「アマチュア写真論のためのガイド」と題された章を流し読みした。
なんでも、19世紀末に瞬間撮影の技術があらわれるとともに、「スナップの美学」が生まれた。芸術の実践のなかで科学的知識も培うという、それ以前の、特権階級の趣味としての写真は鳴りをひそめて、日常の異化をめざすスナップ写真が大流行の兆しを見せる(「日常の異化」とは、なかなか良いキーフレーズ^^)。でも同時に、写真狂の時代がやってきた。世界のいたるところで「隠し撮り」が行われるようになり、物陰に潜むカメラにおびえながら暮らす日々が到来する。初期の頃には、海水浴場などでカメラを持って歩いていたら袋だたきにされたらしい^^。かと思えば、ギリシャの皇太子がアメリカを訪問した時には数百名の女性カメラマンが港で待ちかまえたとか、100年前には既にそういうことが起こっていたらしい。