社会科学のための?

プログラミングに関するボヤキの続き。 何をとちくるったか、『社会科学のためのプログラミングC&Java』(KAIBUNDO)という本をAmazonで購入していた(たぶん寝ぼけて間違えてクリックしたんだ)。今日届き、いちおうパラパラとめくってみるが、類書とたがわず、つまらない。初歩的な統計処理(平均・分散・相関・回帰)を素材にして、CとJavaの初歩的な文法をラフに説明しただけ。Excelのコマンドひとつで処理できることを、なんでわざわざプログラムにせなあかんのか。こんなことをさせるくらいなら、JavascriptやPerlあたりで面白おかしく逸脱してホームページ作成に熱中させたほうが、よっぽどしっかりと、プログラミングの基本作法を学べるはず(もちろんこれがよいというわけではない)。「まえがき」で「これからは経済学でもCやJavaといったプログラミング言語は必須になる」と書きながら(いえ20年前からボクもそう思ってるけど^^)、なぜそうなのかという説明なり実例なりはどこにも示されていない。映画俳優がよく言うことだが、まず演じる自分が陶酔することが必要。自分が白けていると観客は見透かしてしまう。やる前から勝負は見えてるよね。要するに、教える側が、プログラミングの楽しさ、自分であれこれ工夫する楽しさを体験したことがないんだろう。 なお、この本は地方の私立大学で使われている教科書のようだが、類例は他にも多くある。たとえば、東京大学工学研究科計量分析研究室『Cによる統計データ解析入門』(東洋経済)。うちの経済学部のプログラミング教育には、この類の本は使わないように(って、既に、右も左もわからず参考文献に指定している「権威主義者」がいたが・・・;;)。

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このページは、eiichiが2009年12月26日 16:04に書いたブログ記事です。

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