明日(月曜)の講義で相関の説明をするのに適当な教材はないかと探していたら、古典的な?話題が盛り上がっていることを知った。タバコと肺がん。OECDによると、この両者には明らかに正の相関がある。
しかし、JTのグラフでは正の相関がないように(も)見える。
というわけで、いくつかのサイトでJTが強く非難されている(たとえば、「ウソと真っ赤なウソと、そして統計」など、上のふたつの図はこのページからの引用、教材として利用させていただきます感謝します)。非難のポイントは、要するに、ふたつの図の違いは、喫煙をはじめてから肺がんを発症するまでのタイムラグを考慮するかしないか、ということらしい。なるほど、上のOCEDの図では1980年のタバコ消費量(横軸)と2002の肺がん罹患率(縦軸)なのに、下のJTの図では同時点の喫煙者率(横軸)と肺がん死亡率(縦軸)となっている。でも、ホントにそうだろうか?
深く考えているヒマがないので、1限の英語講義ではとりあえず上の OECD の図だけを引用しよう。3限の計量経済学ではJTのグラフも示して疑問を投げかけてみようかな^^。
直感だけど、JTの図でも、日本男性の位置が特異なだけでこの点を除けば正の相関になる。たとえばイギリスなどでは喫煙率は貧困層で高く、国民健康保険(NHS)が日本ほどには良く機能していないのだろうから、ガン検診による早期発見などは日本よりはるかに少ないのではないだろうか。NHSの病院で「あなたはガンで余命半年ですが、保険で手術をするなら一年待ってもらわねばなりません」という宣告を受けた若者の話を思い出した(この話を聞いたときには、日本に生まれてホントによかったと痛感したものだったが、それはそれでまた別の問題があるよね^^)。