サンゴーイチヨンの衝撃

1月に発売されたシグマの最新レンズは評判がとても良い。焦点距離35mm開放F値1.4の大口径単焦点レンズ。中望遠85mmのF1.4は「ハチゴーイチヨン」と呼ばれてきたから、こちらは「サンゴーイチヨン」(以下、3514と略記)。ちなみに、ニコンのハチゴーイチヨンはかつて某有名(無実^^)写真家の「懐刀(ふところがたな)」などと称される高嶺の花だったが、シグマの3514は10万円を切る価格だ。

ちょっと気になっているところに、一昨日、この3514に関する興味深いレビュー記事が DxOMark に掲載された。これを見て、ホントに驚いた。ニコン、カールツァイス(コシナ)、キャノン、シグマ、サムヤンの比較(ベンチマークテストの結果はこちら)なんだけど、ここから各社3514の総合スコアを抜き出して、それぞれの価格.comでの最安値(2013年3月19日現在)とあわせて表にしてみると・・・

テストに使用されたカメラはすべてD800(Canonのみ5DIII)、コシナとサムヤンはマニュアルフォーカスだがまぁ関係ないといえば関係ない^^。まず、シグマ3514は他社を圧倒する性能で、しかもニコン3514の半分ちょいの価格。しかし圧巻はサムヤン3514で、ツァイスと同性能、ニコン・キャノンを性能で上回り、価格は1/4の39800円。念のために、DxOMarkは海外の中立サイトで、この評価記事を書いたのはフランス人だ(むしろ、日本国内の写真サイトではこんなテスト結果は出てこないのではないかとも思う^^)。

もちろん、レンズには数字で測れないさまざまな「味」があると主張する人はいるはずだけれど、この圧倒的な価格差を相殺しうるものだろうか(魚沼産コシヒカリとカリフォルニア産コシヒカリのあいだには、800%の関税=9倍の価格差に見合う「味」の差があるというようなもの?)。少し調べてみたところ、すでに一年も前から、サムヤン(三洋オプティクス・韓国)の3514は注目されていた様子。たとえば、「席巻するレンズ界の韓流」は、サムヤン3514は欧米で瞬く間に受け入れられたと絶賛している。KenRockwell(という有名なニコンフリーク)も、サムヤン3514のボケ味は(ニコン3514には少し劣るものの)ライカ3514などよりはるかに良いと言っている。

安かろう悪かろうと無視しているうちに、いつのまにか追い抜かれて、そのうち相手の背中も見えなくなってしまう。この宿命の道?は、とうとう、この業界にも・・・(まぁ、技術を惜しげもなく全部教えてしまう日本人がいるからだろうけれど・・・^^)。アサヒカメラ3月号の特集記事「フルサイズ時代の最強レンズ頂上対決!」では、3514の比較表にシグマとサムヤンが含まれていない。もうこんなお手盛り雑誌が存在する意味もなくなるね。。

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このページは、eiichiが2013年3月19日 13:45に書いたブログ記事です。

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