カール・ポランニーと金融危機以後の世界

昼過ぎからブラブラ。

西梅田ニコンサロンの「野辺の送り」、記録としては貴重なものかもしれないけれど・・・。「Days FUKUSHIMA」も、おなじように被写体依存が強すぎるのかなぁ、とか思った(だけ^^)。
OAPのキャノン写真新世紀展。ちょっと見て、すぐに出た。帰り際に立派な図録をタダでくれたが、パラパラと見た後に、梅田駅のゴミ箱に捨てた。グランプリ作などは写真より文章がスペースをとってるんだけど、審査員講評を含めて日本語が意味不明(写真展でハイデガー哲学などをペダンちっくに語られても・・・^^)。

つまらない休日になりそうな暗雲がたちこめた直後に、天の恵み。茶屋町ジュンク堂の経済書コーナーで、おもしろそうな本に出会えた。「カール・ポランニーと金融危機以後の世界」(佐藤光、晃洋書房)。パラパラと序章を斜め読みして、ちょっと興奮^^。まよわずレジへ直行した後に、JR高架下の喫茶店にこもって、読書。誤植が多い(とくに経済理論モデルの解説部分)のはすこし残念だが、カール・ポランニー「大転換」を再解釈しながら、世界経済・日本経済の焦眉の課題を解決するためのヒントを探るという興味深い構成。文章は明快かつ平易だけれど、あちらこちらに著者の博識がちりばめられている。戦後のグローバル経済をザクっと切り取る視点、中国をどう見るか、地球環境問題の論じ方などは、逐一うなずきながら読み進めることができた。アダムスミス「国富論」は富国強兵の書であったこと、中国の2000年代の経済成長率は実は3〜4%だった(かもしれない)ことなど、目から鱗の記述も多い。「保守主義」を標榜しながら(だからこそ?)日本一国に偏重せずグローバルな利害バランスを第一に置く視点、とくに中国や韓国などの新興国に対する注意深い観察と「大人の」配慮などは、経済学者としての良識とすべきだろうか(「憂国の士」を名乗る土建屋の太鼓持ち等とはまったく違うところ)。
気取りや衒いなど微塵もなく、惜しげもなく、みんなの疑問に丁寧に応じてくださる師匠に久しぶりに再会できた気分。ポランニーの「死の認識」、些細な理不尽に憤る時は「どうせ死ぬんだから」(p.105)とつぶやいて青空や星空を仰いでみよう(と、「本人だけのためにあるとしか思えない個人ブログ等」(p.118)に書いてみる^^)。

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このページは、eiichiが2013年4月19日 20:24に書いたブログ記事です。

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