今週の市民カレッジは、アベノミクス第二の矢「財政政策」についての考察。
- 財政政策が景気に与えるプラス効果は、古典的な乗数効果のみ。
- それに対して、景気へのマイナス効果は、(a)財政赤字の増加が国民に将来の増税を予感させ消費を抑制する(中立命題)、(b)財政赤字の増加により金利があがれば民間投資が抑制される(クラウディング・アウト)、(c)金利が上がれば円高となり経常収支も悪化する(マンデル・フレミング)。
- プラスとマイナス、どちらが強いかは微妙なところだが、内閣府の短期計量モデルによる試算では、乗数はたかだか1.07ほどで、失業率の改善効果などもごくごくわずか。
- 震災復興や老朽化した社会資本の復旧など、ほんとうに必要な公共投資は行わねばならないが、財政政策は、景気対策としてはほとんど意味がない。国の債務残高GDP比は、すでに太平洋戦争末期のレベルを超えている。むだな公共事業を続ける余裕はとっくにない。
- 蛇足ながら、「乗数効果は5.0もある」だとか「日銀が紙幣を刷って国債を償還すれば公債の中立命題は成立しない」などと語る人物を内閣官房参与にすえたのは、致命的なあやまちではないか(ここで笑いをとろうとするも・・・^^)。
マンデル・フレミングモデルをフローチャートで説明。
「2〜3%のマイルドなインフレ下で国債はどうなるか」という質問があった。インフレに連動して名目金利が上がると、国債費が膨張して、国内銀行が保有する国債にも含み損が出る。1%の金利上昇で7兆円の国債費増、国内銀行の自己資本の2割が毀損という試算もある。インフレは良くない、と(とっさに)答えたけれど、そういえば、リフレ派はこの点をどう考えているのだろうか。。
ところで、FlickrがYahooに買収されて契約のかたちが変わった。継続するかやめるかを7月中に決めねばならないようだ。Flickrにはすでにアップロードしておらず、Friend だった英国人女性数名とも交流はすでに途絶えていて・・・(いちばん親しかったMikiは大学卒業後にプロのイラストレータ兼フォトグラファーになったようす)。でも、Flickrのアカウントを消すと、他所で勝手に使われている写真のオリジナルを主張できなくなりそう。どうしようかな。。