2013年8月アーカイブ

祈り, TED, ビッグデータ

予約注文していた CD が届いた。三宅由佳莉(ボーカル)+海上自衛隊東京音楽隊の「祈り」。予想どおりの素晴らしい録音。CDのタイトルにもなっている「祈り」という曲は海自音楽隊のオリジナルで、「希望・夢・未来」というリフレインが印象的。これはCD全体のテーマにもなっているようで、まっすぐな未来志向がほとんどの曲に通底している。まぁ熟練のソプラノを聴き慣れている向きにはちょっと物足りない箇所もあるだろうけれど、ボクには、「浜辺の歌」や「ふるさと」といった定番の曲は、最上の演奏だな。これほどに雄大で力強い「ふるさと」を聞いたことがない(こんな風に凛々しく歌いあげる曲だったんだ^^)。

"economics" でTEDのビデオを検索したら、サルガドの講演が出てきた。ブラジル人でフランスでphDをとった人だからポルトガル語とフランス語は完璧なんだろうけど、英語はわかりにくいね^^。pristine(自然のまま)というキーワードが主題かな(ecosystemという単語も何度か語られるけれどこれは和製英語の「エコ」とは無関係だろう)。

 

なおTEDは教材ビデオの宝庫で、次の講演はよく講義で紹介している(こちらは日本語字幕あり)。

ハンス・ロスリング 最高の統計を披露

この講演は、「ビッグデータを理解するための10の講演」という特集(こちら)のトップにランクされているもの。ビッグデータの解析には情報処理技術が必須だが、それは、Excelや統計ソフトでデータ分析をする(したことがある)といったレベルとはまったく次元の異なる話だ。ゲーム製作でもWebアプリ開発でもなんでもいいんだけどとにかくプログラムが書ける人、システムを管理できる人、そういう「オタク」が、ビッグデータの解析では主役になるはず。

Spooks

2002年から2011年まで英国BBCで放映された人気ドラマ。Spookはスパイを意味する口語で、英国 MI-5(機密諜報部)のエリート諜報員たちが死闘を繰り広げ、国際的な密謀から英国を救うというストーリー。毎回、英国にふりかかる国難がギリギリのところで回避され英国の平和と繁栄が守られるわけだが、その国難の設定が巧みでほんとうに起きてもおかしくないようなものばかり。シリーズ1からシリーズ10まで全DVDを Amazon.UK から個人輸入済みなんだけど、数年前にシリーズ7まで見終えたところでストップしていた。久しぶりに押し入れから取り出してきてシリーズ8,9,10を最後まで見切ってしまおうということで・・・。欧州型PAL形式のDVDは日本のBDプレーヤでは再生できないので、PCで再生してHDMIで転送して大型テレビで鑑賞。

一貫する傾向というか、全ストーリーに通底する主題がふたつあって、まず、アメリカをはじめ他の先進(民主主義)国は表面的には協力的だが、いざという時には何の助けにもなってくれないことがとことん強調されている(というか、当たり前の大前提になっている)。とくにロシア人のスパイは相当に冷酷かつ狡猾に描かれていて、まぁ英国人一般のロシアに対するスタンスがうかがえるというもの。また、主人公(MI-5のメンバー)たちは個人的には優しい人格者ばかりなんだけど、ほぼ毎回のように、「数千人数万人の命を救うためには数人の犠牲はやむをえない」という "math"(功利主義の算術)で問題の最終解決がはかられる(そういえば「一人の命は地球より重い」なんて言ってた首相がいたがそんな日本語は英語には翻訳できないのだろう^^)。

インドやパキスタン(英国の元植民地)は基本的に愛すべき同胞として描かれているが、「頼むからお互いに仲良くしてくれ・仲良くしようよ」という感じ。中東アラブあたりの描写は微妙で、何をしでかすかわからない連中という位置づけだろうか、この地域の国が悪者になるときには架空の国名が使われる(Tazbekistanとか^^)。やっかいな事件の多くはカネと宗教にまつわって生じるけれど、犠牲になるのはいつも純粋な若者や貧しい人たちで、黒幕はかならず拝金主義者というシナリオもおもしろい。記憶する範囲では、IRAあたりの英国内の紛争や難事は一度も話題になっていないが、これは highly sensitive (冗談ではすまされない)という配慮だろうか。
ちなみに、中国はときどき「脅威」として引用されるが、日本は世界の権力闘争のなかにまったく登場しない。「日本」が登場したのは、記憶する範囲で2度だけ。MI-5 のアジアにおける "asset"(つまり、重大な情報を MI-5 に流してくれる大物スパイ=中国人)が「情報がある」とか「会いたい」とかいうことを伝えるときのサインに、日本のJリーグの試合結果を秘密の合い言葉として使った場面(ガンバ大阪が前半にコーナーキックを10本とったとか、あるいは鹿島アントラーズが後半にペナルティを得たとか、チーム名が正確に引用されていた^^)。もう一度は Financial Eclipse という特殊用語が登場した回で、英国政府が財政破綻の危機に直面したときに「日本のように」という表現が数度語られた。

ふと思い立って、実に久しぶりに、新梅田シティへ行った。月がきれいだったので空中庭園にもあがってみた(ドラマ「半沢直樹」のロケ地になっていたが、あのドラマを見ていてとても懐かしくなったのだ)。このあたり(かつての大淀区)はもともと生家に近く地元のようなものだが、1990年代前半には大淀南1丁目(新梅田シティから徒歩30秒)に住まいして、この新しい街の再開発工事から完成までを見守り、オープン後は毎日のように通った場所だ。

(新梅田シティの空中庭園で月を愛でる。クリックで少し拡大)

馴染みだった居酒屋(「明治屋」)がつぶれていた。そして、大阪タワーが消滅していた。まぁ、解体工事が完了したのはもう数年前のことでニュースでは当然知ってはいたけれど、実際に解体後の空き地を目の当たりにすると感慨深いものがある。小学生の頃だったか、小遣いを握りしめて一人で遊びに行ったゲームセンター、「てなもんや三度笠」の収録なども何度も見に行ったっけ(オレがこんなに強いのも、あたりマエダのクラッカー^^)。

サルガド Genesis

 
セバンスチャン・サルガドの写真集「Genesis」は6月の発売と同時に購入して積ん読状態だったが、休みに入ってそろそろと、あちらこちらの評判なども参照しながら、読みはじめている。全掲載写真はサルガドがこの8年ほどを費やして撮りためた新作だが、なにせ500ページを超える大判写真集が6500円という廉価。印刷の品質もすごく良いと思う。サルガドの写真は(もちろん)モノクロだが、生き物も人工物も海も空も、画面全域のすべてのもののディテールが克明。サルガドという人は報道写真家からスタートした人で(今も?)、写真家になる前はエコノミスト(経済学博士)だったりするんだけど、(当然ながら)経済学の狭隘なイメージは、微塵も感じられない^^。

ちなみに、こちら(Canon Professional Network)によると、彼はコンピュータを一切使わず、デュポン社の助けを借りてデジタルのRAWファイルからわざわざネガをおこして銀塩プリントしているとか、カメラは645フレームに改造したEOS-1Ds MarkIIIで24mm未満の広角レンズは使わないとか・・・(また蛇足ながら、この Canon Professional Network のサイト、英独仏伊蘭西の表示オプションがあるのにアジア系言語が選択できない、日本語表示すらないのはどういうわけだろう?)

Stata13, Eviews8 など

Stataのバージョン13が出ていたのでアップグレード、ついでにEviewsも古いバージョン5から一挙に最新バージョン8へアップグレード。いずれも個人研究費で数万円の買い物、円安のおかげで個人輸入のうまみはなくなり、日本の代理店から購入した。

オープンソースの普及でこの種の商用ソフトはほとんど用無しではあるんだけれど、流行の定型分析がポンポンポンとできてしまう(ように見える)という魅力は、未だ、あるのかも。
ただ(蛇足ながら)、この種のものはいずれも、特異で「閉じた」プログラミング機能しか実装していないので、(少なくとも学部)教育に用いるなんてのはナンセンス。汎用的な環境でどう実現するかを理解することが重要なのであって、ポンポンと簡単にできてしまう特異なコマンドを覚えても無意味。

それはともかく、Eviewsにはちょっと困った。いまどき、Windowsでしか動かないというあたりからしてソフトとしての完成度が疑われる?ところだが、拙宅iMac上の仮想Windows環境へインストールしようとしたところ、まず、Mac本体がインストールCDを認識しなかった(へ〜、今どきこんなことがあるんだとむしろ感心^^)。仕方ないから埃をかぶったWindowsマシンでCD全体を読みこみ、iMac上の仮想Windowsに転送した。が、今度はインストール時に「仮想環境では使用できません」というエラーが出る。アメリカの製造元サイトでは解決策は見当たらず。でも、イギリスの代理店のサイトに「製造元に連絡すれば仮想環境でも使える」という記述を発見。ただちに、Could you get me an additional authorisation code? と製造元にメールを送ったが、まだ返事なし(アメリカでも盆休みなのかな・・・^^)。

ps. 日米のあいだには時差というものがあることを忘れていた^^。日本時間17:00に出したメールに、翌3:00に返事がきて、インストール完了。西海岸(サマータイム)で時差16時間、出勤して午前11時に返事をくれている。失礼しました。それにしても、英米の事務処理がこんなに迅速だった記憶はないけども・・・ビッグデータのブームでこういう会社も経営効率がよくなっているのかな(儲かっているから従業員も機嫌よく働いて生産性が上がる?しかし、実のところ、この種のソフトはブームとはあんまり関係なかろうけれども・・・^^)。

三宅由佳莉

数日前にたまたまニュース番組で知った女性歌手。というか、女性自衛官(海上自衛隊東京音楽隊の三等海曹)。YouTubeでいくつかの歌を聴ける。なんとも力強く凛々しい、澄みきった声。

坂の上の雲 Stand Alone
朧月夜
ふるさと

ドラマ「坂の上の雲」の主題歌 Stand Alone はいつ聞いてもいい歌だけれど、「凛として旅立つ/一朶(いちだ)の雲を目指し」の一節あたりは、オリジナル(東京フィル)もよいが、海自音楽隊はもっとよい。宮嶋茂樹の震災写真集「再起」のなかの一枚、ガレキを掻き分けて遺体を担ぎ出す若い女性自衛官のイメージがだぶった。

8月末にCDが出るそうで、すでに予約済み^^。

私なんかが・・・

むかし、歌手の杏里がレコード大賞の部門賞にノミネートされたときに「私なんかが、どうしてこんな場所に・・・」とインタビューに応えていたことを憶えている。類まれなる才能を持ちながら(だからこそ?)不遇にも華やかな表舞台には恵まれなかった人の本音だと思った。
野口みずきもアテネ五輪の女子マラソンで金メダルをとった直後に、涙でくしゃくしゃになりながら、「私なんかがこんな場所で・・・幸せです」と語った。この謙虚さは日本国中の共感を呼んだのでは。長い苦闘を経て復活した野口に、「帰ってきてくれてありがとう」と声をかけたファンの気持ちがよくわかる。

というわけで、今夜はモスクワ世界陸上の女子マラソン。日本時間19:00のスタートからずっとテレビ中継にかぶりつき^^。

近所のジャスコで、赤霧島・黒島美人・黒伊佐錦の五合瓶3本セット3280円を見つけた。三者とも、しっかりとした自然の甘みが、実に心地よい。今夜は体調が良いせいか、女子マラソンを見ながら、ロックでグイグイといってしまった。個性の強い芋焼酎は冬の湯割りには最高だけど、暑い夏の盛りには赤霧のようにスッキリしたのがよいですね^^。

青春18きっぷ

JRが春夏冬の休暇期間に発売する「青春18きっぷ」は、実は年齢制限はなく中高年にも利用できることを知った。1枚2300円(5枚セットで販売)で日本全国の各駅停車が1日中乗り放題になる。早速にこれを利用して、奥びわ湖の伊吹山と賤ヶ岳に行ってきた。

一泊二日の宿は大垣駅前のビジネスホテル。朝食バイキング付きで3400円/人(ポイントでさらに1000円の割引、「デフレ脱却」は遠い道^^)。かたや、伊吹山ドライブウェーは通行料3000円(大型バスは12000円)という法外な値段。徒歩の我々は関ヶ原駅から片道1000円の乗合バスを利用したが、行きも帰りも我々以外には乗客なしの貸切状態だった(土日にはそれなりに客もあるらしいけれど)。

久しぶりに背負うカメラバッグがずっしりと重くて、大登山でも敢行したような調子で、わずか数時間の軽いハイキングコースをなんとか歩ききった。山行きに重いカメラは筋トレ用具にしかならない、やっぱり^^。でも、春学期中にためこんだ毒素をすべて汗とともに流しきった感じ。

伊吹山の山上には、黄色い花(メタカラコウ、雌宝香↑)と赤い花(シモツケソウ、下野草→)がいっぱい(伊吹山花紀行に花の名前のくわしい解説あり、事前に見ておくべきだった^^)。

生活保護、制度の定量分析

昨日、地方財政専門の若い同僚から、生活保護にまつわる二つの用語を教わった。もらう必要のない人が生活保護給付を受けることを「濫給」といい、もらう必要がある人が生活保護を受けられないことを「漏給」というそうだ。いずれもメディア等でよく騒がれてはいるが、実際にこれらがどれくらいの比重なのかは興味あるところ。濫給つまり不正受給は1万6000件(0.35%)に対して、漏給は600万〜800万といった数字をあげる人もあるが、推定の精度はよくわからない。とくに、不正受給率0.35%という数字は、露呈した氷山の一角ではないか。大阪の保護率の高さ、たとえばこちらのサイトの失業率との相関図などを見るにつけ、不正受給率はもう少しは高いのではないかと疑いたくなる。ちなみに、大阪市の公式統計によると保護率が2%を割っているのは福島区と西区だけ、とくに福島区は最小で1.45%(私が生まれ育った頃の福島区のイメージからはちょっと意外だけれど・・・)。

なお、第一人者の研究(こちら※PDF)によると、近年の生活保護率の上昇は不況要因(失業率や有効求人倍率など)だけでは説明できなくなっているようだ。高齢化等の要因も考えられるが、この研究がもっとも着目しているのは給付主体(厚労省や自治体)の政策スタンスの変化、すなわち2009年3月以降の受給基準の大幅緩和だ。この基準緩和がリーマンショックと同時期にはじまっているだけに、この分析は興味深いというもの。一般には(こちらのページの解説のように)2009年からの保護率急増はリーマンショック(失業率の増大)によるものと信じられているけれど、実は、基準緩和という要因が少なからず影響していたということだ。2009年3月といえば麻生内閣の頃だが、よほど注意していないと、こんな細かな制度変更のことはわからない(たとえば麻生内閣(WikiPedia)の記事には出てこない)が、こういうことが実際の地方財政の動きを左右していることにはあらためてちょっと驚く。

実は、先に終わった市民カレッジでも、こんなシーンがあった。日本のデフレは名目賃金の下落が原因、ではなぜ日本でだけ賃金が下落したのかというと、日本では正社員解雇のコストが異常に高く(労働者本人にとってはもちろん、企業にとっても)賃金で調整して雇用は守るというのが日本型モデルだから・・・とかなんとか説明していたら、「雇用調整補助制度が賃金調整を促しているのでは」という質問を受けた。即座に答えられず、少し調べてみたが、この制度の定量的な分析は未だほとんどなされていないらしい。

Vmware Fusion 5

学期末試験終了。というわけで、夏休みの宿題(其の一)。本学Moodleサーバのアップデート(Moodle1.9.5→2.4/2.5)に伴う、いくつかの調整。とりあえず、学部アンケートに利用しているモジュールの作動確認と諸データの移行。というわけで、まず、拙宅に大学サーバの疑似環境を作成する作業からスタート。Mac上のエミュレータ、Parallelsは飽きたので、Vmware Fusion 5 を購入してみた(こっちのほうが安い、¥4000で3ライセンス同梱)。で、拙宅のiMacとMacBookProに、CentOS 6.4 をインストール。

Parallelsに比べて、Vmware Fusion5 はとても洗練された印象。ゲストOSのインストールはより簡単ですばやいが、LinuxをゲストOSで入れるときにはインストールオプションを勝手に決めてどんどん進んでしまうので、あとで調整が必要。それから、ホスト(Mac)とのファイル共有は、ゲスト(CentOS)側でvmware-toolsを再インストールしないとうまくいかない(このバグ/仕様?、発見するまでちょっと悩んだ)。

夏休みの宿題は、いまのところ(其の二)(其の三)(其の四)まで確定。まぁ、仕事をもらえるうちが花ということで・・・夜は長い^^。

このアーカイブについて

このページには、2013年8月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2013年7月です。

次のアーカイブは2013年9月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.13-ja