世界最低の教育予算?

「世界で一番少ない日本の高等教育予算」という記事を目にした(こちら)。GDP比で見た高等教育予算(公的支出)は、世界で最も高いデンマークの2.4%、OECD加盟国平均の1.4%に対して、日本は0.8%。これは「世界一少ない高等教育予算」であり、政府は「高等教育への予算をOECDの平均値1.4%まで引き上げる」べきだという。

教育予算が少ない・もっと教育予算を増やせという主張の論拠はいつもコレ(GDP比)なんだけれど、こうした主張は妥当なんだろうかといつも思う。というのも、税収比で見ると日本の教育予算は他国に比して遜色ないのだから。簡単な算数で、

(高等教育予算/税収)=(高等教育予算/GDP)÷(税収/GDP)

GDP比で見た高等教育予算(高等教育予算/GDP)は上のグラフのように、デンマーク2.4%、日本0.8%。しかし(税収/GDP)は、デンマーク48.2%に対して日本は15.9%(こちらなど)。よって、税収比で見た高等教育予算(高等教育予算/税収)は、デンマーク4.98%に対して日本は5.03%となる。

つまり、日本政府は税収のうちデンマークとほぼ同率の予算を高等教育に投じている。日本の高等教育予算がGDP比で他国より少ないのは、日本の税収がGDP比で他国より少ないからだ。これは、国民の選択(の結果)とでも言うべき筋合いのことではないのだろうか?

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このページは、eiichiが2013年10月25日 16:04に書いたブログ記事です。

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