タクシー料金など

世間はあんまり騒いでいないようだけれど、4月から、タクシー初乗り料金が(法により強制的に)660円以上となる。

一回生向けの経済学入門講義でいつも最初にとりあげるミクロ経済学の応用問題 --- 政府がこんな規制をかけると、誰が得をして誰が損をするだろうか --- 明らかに消費者は損をする。消費者余剰は減少して、タクシー利用(需要)量は減る。料金単価は上がるので、法人の固定客を持つ大手タクシー会社の生産者余剰はすこしは増えるかもしれないが、低料金で客を集めてきた中小タクシー会社の収益は減少する。さらに、タクシー運転手の総数が減少して、失業率が上がるだろう。500円タクシーはすでに消滅したようだが、今日利用した590円タクシーの運転手は会社の倒産を真剣に心配していた(ちょっと前に利用した大手タクシーの運転手は上機嫌でさらに5000円超半額割引制度の撤廃を訴えていたが)。まぁ、消費者物価上昇には多少なりとも貢献するから、黒田日銀のインフレ目標達成にはプラスの効果があるかもしれない。

当代きっての売れっ子?経済学者も(タクシー減車法案と規制の経済学)、今回の規制強化の根拠とされるもの(タクシー運転手の減収や事故の増加など)が事実に反することを明快に示してはいるんだけれど・・・でもまぁ、革新経営者の声のほうが切実で説得的に思える。ちなみにこのMKタクシーの社長さんは在日二世で、お父上(創業者)は、2002年小泉内閣(安倍官房長官)のタクシー業規制緩和を誘導したと自負する人物。Wikipediaによると、韓国国民勲章受賞のおりには「韓国民が団結すれば10年で日本に追いつける」と喝破したらしい(まぁ、10年どころか、英エコノミスト誌などは、2017年に韓国の平均所得は日本を抜くと予言しているんだけどね)。。

 

ps. Macでキーアサインを変更するソフトを探したら、これ(KeyRemap4MacBook)が見つかった。とても良い。なにはさておき、Japanese Yen を Backslash に変更(いまさらながら、これでTeXもRもMacででける、これまでは実は Linux on Parallels でやることが多かったんだけど^^)。

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このページは、eiichiが2014年3月 2日 01:36に書いたブログ記事です。

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