「クマラスワミ報告」に対して、日本政府が作成したという「幻の反論文書」。クマラスワミ報告を「極めて不当、無責任で予断に満ち、歴史の歪曲に等しい」と、日本政府の名で反論したものらしいが、いったんは国連に提出されながらも、なぜか、すぐに撤回された文書(産経の記事、撤回したのは当時の村山富市首相・社会党党首だろうが経緯は不明)。非公開とされてきたが、今年に入って、産経新聞社がこの反論文書を入手し、雑誌「正論」に一部を掲載した。
ある質問に関連して、この幻の文書が掲載されている「正論」2014年6月号を図書館で探した。で、おどろいた^^。うちの大学の図書館は「正論」を購読していない。ちなみに「週刊金曜日」は購読している(たまたま開架棚で見つけたんだけど、レモンちゃんが編集委員をやっている^^)。
しかたがないから他の図書館をあたってみようと CiNii で検索したところ、大阪府下の大学で、「正論」を購読しているところは7大学(大阪学院大、大経大、大阪市大、大教大、関西外大、関大、近大)。ちなみに「週刊金曜日」を購読しているのは12大学(大経大、大産大、大阪市大、大阪女学院大、大阪体育大、阪大、大阪府大、関西外大、関大、相愛大、東大阪大、桃学大)。たったこれだけのことでどうこうと言うのも危ういけれど、大経大や大阪市大、関大の「品揃え」の豊富さがうかがえる(ような気がする)。腕利きのライブラリアンというのは、各誌の内容傾向を適切に把握して、個人的な思想はどうでも、人々の「知る自由」を保障するために働いてくれる、そんな人だろうか。
ついでに調べてみると、解放出版社「部落解放」を購読しているのは22大学だった。大阪には50弱の大学があるから、単純計算だと「部落解放」を購読していない大学は50%をこえている。これはちょっと意外(かつての反差別時代にはすべての大学が人権講座を設置していたと聞くけれど・・・)。うちの大学は、未だに「解放新聞」全国版から地方版までもみごとに取り揃えているが、閲覧者はいるのだろうか。。