旧聞に属するが、先々週の水曜日に学内で行われた講演会(「配慮の必要な学生への大学としての対応」)は盛況で、興味深いものだった。社会良識の欠如、自己中心、会話の流れがつかめない、日常生活のズレ・ルーチン化、想定外のことに対応できず異常な言動をとる。ときにこうした症候を示す学生が一定の比率で潜在しているらしい。
1000名規模の大学で(大学側が把握しているだけで)60名前後といった調査も既にあるそうだ(ちなみに、より広い範疇で、日経新聞の記事によると小中学生の6.5%に発達障害)。
こちらの症例説明によると、他人の気持ちを理解できず、不幸があった人の前で笑ったり喜んだり、失礼な態度や発言で他人を怒らせてしまう。「雨が降りそうだから注意してね」と言われても、何をどう注意すればいいのかわからない。「雨が降ると濡れてしまうから傘を持って行ってね」と言えば理解できる。
高機能PDD(Pervasive Development Disorders)とは、知能指数は低くないので、こういった症候が一見してそれとは判別できない場合を指す。むずかしい問題だ。