先日、某大学で「データサイエンス学科」の新設が企図されていることを小耳にはさんだ orz(ラッスンゴレライ=意味わからん)。これはアホかと思って、担当者に直接聞いてみたところ、あれはバカだという返事だったので、あぁそういうことかとひとまず納得^^。
下の図は、ガートナーの Hype Cycle(左が2013年版、右が2014年版、左クリックで拡大表示)。テクノロジに関する Buzzword(流行語)の盛衰を、勃興→過度の期待→幻滅→啓蒙→安定というフェイズに分けて図示したもの。
「データサイエンス」は、2013年には表示なし(ランクインせず)。2014年にいきなり「過度の期待」の入口付近に出現(ただし2年から5年で「安定期」に入ると予想されている)。ここ数年の「データサイエンス」人気は、明らかに「ビッグデータ」人気にあやかったものだが、親分の「ビッグデータ」のほうは、2013年に「過度の期待」のピーク手前だったが、2014年7月には既に「幻滅期」に入ってしまっている。
「データサイエンス」という用語は、実はずいぶん以前から、使われてきた。たとえば、私の知る範囲で、日本ではこれまでに、ふたつの「データサイエンス・シリーズ」が発刊されている。いずれも共立出版からの発行で、ひとつは、2001年から2002年にかけて10巻が発刊された「データサイエンスシリーズ」。もうひとつは、現在も次々と新しい巻の出版が続いている「Rで学ぶデータサイエンスシリーズ」。したがって、ガートナー・サイクルになぞらえると、「データサイエンス」という用語は、15年ほど前にいちど出現してそのサイクルを終えたあと、昨年にわかに再登場(新装開店)。しかし、数年後にはふたたび消える(安定期に入る)と予想されている。ちなみに、あるベストセラー統計学書の著者は、数年前に(早大大隈講堂で)「データサイエンティストなどという用語は(「ハイパーメディアクリエイター」と同様に)数年後には死滅する」と予言していた(ただ、その当人がさいきんは「データサイエンス講座」に登場しているんだけど・・・^^)。
「データサイエンス」の具体的中身についても曖昧なままのように思うが、いまの時点では、「データサイエンティストと呼ばれる人たちが実際にやっている仕事」などと言う以外にないような気もする。比較的に高度なITスキルが必須で、分析手法も伝統的なものとは一線を画する、というイメージ。