くどいが、高齢者ではない

大阪市特別区設置住民投票の結果について、「高齢者が改革を拒否した」という論説があいかわらず続いているけれど、これは正しくないし、こういう言い方は本当の対立軸をぼかすようにも思える。前の記事の計算にさらにデータを加えて、単純な回帰をやってみた。

各区の反対票/賛成票  
    = 0.600763 
       - 0.003230×当該区の区民一人あたり税収
       + 0.003021×(中央区ダミー)
       + 1.312076×当該区の区民一人あたり市営住宅戸数 
       + 2.336502×当該区の70歳以上人口比  

すべての説明変数は10%有意、自由度修正済決定係数は 0.5753。この式から各説明変数の寄与度を計算してみると・・・たとえば、反対/賛成が最小の北区と、最大の大正区との差は 0.58 だが、この差のうち、0.2323(40.05%)は平均税収の差によるもので、70歳以上人口比の寄与は 0.1339(23.08%)。高齢者率より、平均税収(つまり平均所得)の違いのほうが大きく影響したという計算結果になる。つまり、住民投票否決の主因としては、「高齢者」より「南北格差」を強調するほうが妥当。

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このページは、eiichiが2015年5月22日 01:32に書いたブログ記事です。

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