10年以上使ったCDプレーヤが修理不能になったことがきっかけで、オーディオ熱がにわかに再燃。帰宅後に(とくに深夜に)心置きなく(大音量で)天上の調べに浸りたい、この切なる願い^^をかなえる次善策を求めて(最善策はぜったいに実現不可能なので)、PCオーディオについて少し調べてみた。
数年前に試したときには、ネットからダウンロード購入した音楽ファイル(「ハイレゾ音源」=CDを超える高音質の音楽ファイル)のプロテクトが不便だったし、PC側の処理能力によっては作動が不安定になることもあったのだけれど、この領域も日進月歩のようだ。
従来からのPCMとは異なるデジタル化方式(DSD)が普及して、高音質化も進んでいる(サンプリング周波数が2.8MHz→5.6MHz→11.2MHzと進化)。再生ソフトのほうも進化していて、たとえば Audirvana などは、DSD音源のNative再生はもちろん、iTunesライブラリにためこんだPCM音源も(とってもカンタンな操作で)再生できる。PCM音源どおしのファイル形式変換や、DSDとPCM間の相互変換も(MacだとXLDとかHi Res Editorなど)。(蛇足ながら)DSD方式は、情報処理試験などには未だ出題されておらず(応用技術者試験などにPCM方式の出題はある)、わかりやすい直感的な解説もなかなか見当たらない。
それから、ヘッドフォンのバランス接続。ヘッドフォンを左右2つの端子で接続するために、最近のUSB-DACやアンプでは左右2チャンネルを完全に?分割して、同じ回路を左右ふたつ備えているそうだ。
この種の環境を視聴させてくれる店が大阪市内にいくつかあって、そのうちのひとつ(大手量販店Y)に音源ファイルを持ちこんでみたところ、通常のPC環境では聞こえるはずもない音が、たしかに、ずっしりと響いた(たとえば、マタチッチ+N響「ワーグナーの宵」の一曲目4分33秒、コントラバスのピチカート一弾^^)。音場空間の広がり等も素晴らしく、ヘッドフォンに対する偏見もかなり解消した。
とはいえ、相応の音質を求めるならばやはり相応の出費が必要なようで、ここでも高級ブランドが幅をきかせるようになっている。さらに厄介に感じるのは、アナログ時代の「都市伝説」の復活。たしか数年前には、「デジタルなのだから、データが確実に伝送されるならば、100円のケーブルでも1万円のケーブルでも違いはない」という(革命的な?)説があったように思う。しかし、これはどうやら覆ったらしい。「ケーブルによって音は確かに変わる(ただし理由は不明?)」というのが昨今の常識となったらしく、1mあたり数万円のUSBケーブルなどが人気商品となっているようだ(パソコンと周辺機器をつなぐ、あのUSBケーブルですよ^^)。
「ハイレゾ」自体の今後については、コンテンツの問題が深刻なように見える。要するに、コンテンツが無い。ハイレゾにはいわゆる「名盤」がほとんど無い(あるにはあるが、昔の録音をリマスターして、名目上の音質をCDより少し引き上げただけのものが多いようにも見える)。新盤にも、有名なアーティストのものはあまり無いようだ。
DSD音源に関しては、SACDとの競合という事情もあるのだろう。SACDでは名盤や新盤が既にかなり販売されているのだが、著作権法改正によって、SACDからDSDへのリッピングもできなくなった。
というわけで、当分は様子見(高嶺の花^^)。