某社主催のIRに関する講演会を聴講(曖昧な立場なんだけどいちおう職務上の要請から?まぁ近くでの開催だったし、事務所管には連絡したものの返事すらもらえなかったので・・・^^)。
メインの基調講演者が京都大学の「有名人」、天下の京大がIRに懸命に取り組んでいるのかと思いきや、実はこの人自身は神戸大学の出身だったり・・・(京大は昔からそうで、たとえば百万遍の大型計算機センターで働いていた技官さん、というかユーザ対応ヘルプデスクの多くは周辺の大学出身者だったり・・・)。
よく話題になる、東京理科大のGPA分析(こちら※報告書本文は未入手なので、以下の私の推論には誤解があるかもしれないけれど・・・)。(1)入学試験の成績と、入学後の成績には相関がない。(2)一回生時の成績と、それ以後の成績には高い相関がある。以上2つの「事実」から、初年次教育の重要性が示されたと主張しているもの。本日の講演でも、大阪府立大学が同じ分析結果を得たという報告があった。
でも、私は、この主張は的外れではないかとずっと訝っている。上の2つの「事実」はもっと素直に解釈されるべきではないだろうか。すなわち、(1)受験勉強の出来と、大学での成績には相関がない。(2)一回生時の成績もそれ以後の成績もどちらも「結果」なのであって、大学での成績を左右する別の要因がある。
私じしん、数年前に確認したんだけれど(こちらの拙文で)、出身高校偏差値と大学での成績GPAはまったく相関なし。大学での成績評価では、最終試験の成績(受験の結果)より(/だけでなく)、途中の頑張りやまじめな取組の度合いが多分に考慮される。だから、とにかくマジメな努力家(あるいはマジメを演じる要領の良い子)が大学では成績を伸ばす。ただそれだけのことなのでは・・・。
もちろん初年次教育やキャリア教育は重要ではあるけれど、上の「事実」がそれを示しているわけではない(まして「改革」の必要性などを示しているわけではない)。
蛇足ながら、この種の講演会では(他の学会等には無い)ふたつの「推進力」を強く感じてしまう。ひとつは「売らんかな」の商魂、もうひとつは、なんでもかんでも「改革」を提唱せねばならないというプレッシャー。